2008年11月21日

マタンゴの語源「ママタンゴ」について

Pop is dead. キノコの人間、マタンゴー!
 無人島に漂流した男女が、謎のキノコ「マタンゴ」を食べ、一人また一人とキノコ人間化してしまう恐怖映画「マタンゴ」。

 このマタンゴという言葉はどこから来ているのか、以前から疑問だった。

「マタンゴ」の名は、きのこの一種ママタンゴから採られた。
 web上あらゆるところにこういう記述があるのだけれど、じゃあママタンゴというのがどういうキノコなのかについては誰も調べていない。
 ただ、上記の記述は劇場公開時のパンフレットに書かれていたらしいから、嘘というわけでもなさそうである。

 ママタンゴとは、どんなキノコなのだろうか?

 私は「外国での呼称をママタンゴと聞き間違えたのだろう」と思い、ちょっと検索をしてみた。
 しかし、どうもそれらしいものはない。あきらめかけた時、Kenさんからコメントを頂いた。
東北地方で食されるきのこ、ママダンゴ(またはマメダンゴ)のことだと思います。
種名はツチグリ。
 なんと、外国語ではなくて日本の方言だったか!そしてツチグリか!
 さらに調べてみると、福島県の方言らしいことが分かった。
 福島県の東部・中部ではツチグリのことを「マメダンゴ」と呼び、同県中部ではタヌキノチャブクロを「ママダンゴ」と呼ぶらしい。
(参考:福島県植物誌 -411/483page

 ただ、マメダンゴとママダンゴという呼称については厳密に使い分けられているわけではなく、ツチグリのことをママダンゴと言ったりもするようだ。
 
 ママダンゴを元にマタンゴという言葉を考えたのは誰か分からないが、その人はママダンゴを実際に食べたんじゃないかなあ、と思った。福島に旅行した際に、寂れた宿なんかで「ママダンゴの味噌汁」なるものが供された。見ると怪しいキノコが入っている。「これ毒キノコなんじゃねえか?」とビクビクしながら食べた記憶から「マタンゴという毒キノコ」が誕生したのじゃないかな、とこれは妄想ですが。
 そう考えると、その人が食べたのはツチグリじゃないかね、と思うのです。タヌキノチャブクロは、まあ見た目「白いナメコ」のような物で、そんなに毒キノコらしくない。対してツチグリは、いかにも毒キノコ然としているではありませんか。
 そういうわけで、僕の中では「ママタンゴ=ツチグリ」という結論に達したのでした。

 ちなみに、福島県では「ママ」は土手の事を指すらしいので、ママダンゴというのは「土手に生える、団子状のキノコ」ということでしょう。実際にツチグリは「林縁の土の崖」などに生えるらしいです。
 あるいは、タヌキノチャブクロが群生している様が米飯(マンマ)のように見えることからかも知れませんが、詳細は不明です。
(参考:会津の方言 会津弁用例
(参考書籍:保育社「きのこ図鑑」1985年)

 そういうわけで今回はKenさんからコメントを頂いたことで道が開けました。ありがとうございました。こういうのがやはりwebの素晴らしいところだなあ、などと思うのです。

マタンゴ
マタンゴ

 肝心の映画ですが、別に見なくても良いような作品です。幻覚や、キノコが生えてくるシーンなんかはちょっと良かったです。あとラストは面白いですね。
posted by LSTY | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このエントリーを含むはてなブックマーク このエントリーを含むはてなブックマーク
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