2011年11月14日

「サイゼリヤ」の由来について、僕が至った結論

Pop is dead.・以前、ちょっと気になってweb検索したものの、結局答えが分からなくて放置していた問題。
・イタリア料理チェーン「サイゼリヤ(Saizeriya)」の、店名の由来について。かつて、同社のwebサイトには「イタリア語でクチナシの花の意味です」とか書かれていたが、調べる程に、どうも違うっぽいのだ。

・同じようなことを考えている人は多い。
massangeana のいろいろ :: サイゼリヤ
サイゼリヤ - たまのて
外房Linux生活: サイゼリヤって本当に「くちなしの花」が由来なの?

・で、以前は公式webサイトに「クチナシ云々」って記述があったんだけど、今日もう一度webサイトを探してみると、そんな記述は消えている。ん?これは怪しいぞ。
・さらに、同社に関するWikipedia記事を見るとこうだ。
現在の会長である正垣泰彦が(中略)千葉県市川市にある洋食店「サイゼリヤ」で勤務をしていたところ、経営者からその腕を認められ、大学4年生のときに店を譲り受ける。店長となった正垣は(中略)これからはイタリア料理の人気が出ると判断する。しかし、洋食店からイタリア料理専門店に転換したものの、客足はぱったりと途絶えてしまった。
・つまりですね、この記述が正しいのであれば、ですよ。
 1.「サイゼリヤ」という名称は、現会長がつけた名前ではない(元ある店を譲り受けた)
 2.「サイゼリヤ」という名前が付けられた当時、店はイタリア料理店ではなかった(何料理、と限定しないいわゆる「洋食屋」)
・ということになる。極端に言えば、現会長も実は「サイゼリア」の由来を知らない、ってことだってあり得る。
・ここに来て「イタリア語でクチナシを意味して云々」という説明は、どーうも信用ならんのではないか?という気持ちになってきました。

・第一、先にリンクを引用したサイトでのやりとりでは、
よくわからないので、サイゼリヤに電話してみた。
「クチナシの花のラテン語です。」
「ラテン語辞典に載ってないんですが」
「当社ではそうなっています。」
・これはやっぱりおかしい。今になって公式サイトから「クチナシ由来表記」が消えているのも、結局「覚え間違い or 勘違い or 適当に言ってただけ」の裏付けになるんじゃないか。

・なんで今更こんな事を思い出したのかというと、永井荷風「墨東綺譚」の中に、次のような文章を見つけたからです。
震災前まで八官町に在った小林時計店の鐘の音が、明治のはじめには新橋八景の中にも数えられていた事などを語り出す。(中略)この附近の酒場でわたくしが其名を記憶しているのは、万茶亭の向側にはオデッサ、スカール、サイセリヤ、(後略)
永井荷風 墨東綺譚 ※墨(ぼく)は、正しくは、さんずい偏に墨
・八官町というのは現在の銀座八丁目。なんと、かつて銀座に「サイセリヤ」という酒場があったのだ。女性が接待する、いわゆる「カフェー」であったのかどうかは分からないが、銀座の酒場、バーやクラブの類であれば、先にリンクを示したサイトにある
Cytherea とは Cythera (Κυθηρα) 島に縁のふかいアプロディーテー女神の別名で, 女性の名としても使われる。
・これ、つまりアフロディーテの別名である「サイセリヤ / シゼリア / シセリア / キュテレイア」から来てると考えて良いんじゃないか、と思うわけです。銀座のバーの名前として考えると、しっくりくる。
・あるいは、カリプソという蘭の異名が「Cytheria」らしいので、そこから取ったのかも知れない(Calypso (orchid) - Wikipedia, the free encyclopedia

・銀座の「サイセリヤ」に影響を受けて、そういう店名がいくつも発生したのかも知れないし、元々「サイセリヤ / サイゼリヤ」という店名自体が一般的だったのかも知れない。
・また、現「サイゼリヤ」による「クチナシ云々」という説明については「蘭」が間違って伝わった可能性もあろう。元々の経営者が「クチナシみたいな花でサイゼリヤというのがあって」と聞いたのを、そのまま何となく話し伝えた結果、つじつまの合わないことになってしまったけど、社内的にはそれで通用している、という事でよろしかろう、と一旦、私の中で結論づけておく。

・付記:Cytheriaという言葉がそもそも何語かというと、ギリシャのCytheraという島(キティラ島)から来ているようなのでギリシャ語ということで良いようです。この島のイタリア語表記は「Cerigo」らしいので(セリーゴ?)イタリア語由来というのは多分まちがい。ただ、Cythereaという表記は、イタリアでもCythereaのようです。
この記事へのコメント
初めまして。

先日、別件で、銀座サイセリアのオーナーだった方の娘さんにお会いしてきたのですが、その際、銀座サイセリアは今のサイゼリアとは別物で、サイセリアとはギリシャの美少年の名前であると説明を受けました。

相当御歳を召した方だったので、美少年と云うのは記憶違いかもしれませんが、サイセリアというのはギリシャ神話から来ているということで間違いないようです。現在のサイゼリアのほうはわかりませんが。

サイセリアのことを調べていたら、このブログに行きあたったので、一応お知らせまで。
Posted by Y.O at 2014年12月04日 01:02
■Y.O様
 貴重な情報をありがとうございました。「美少年」というのが引っかかりますが、やはりキュテレイアから来てるんでしょうね。サイセリアという店舗名が当時、広く使われていたのであれば、現在のサイゼリアもその流れだろうと思います。
Posted by LSTY at 2014年12月23日 17:32
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