2012年10月29日

ザリガニを食べた。

Pop is dead.・僕にとって「食の原体験」というと、子供の頃、フランス料理店で食べた「ザリガニのスープ」である。一種独特の、性的な魅力のある臭みがあって強烈に記憶に残っている。芦屋の「むっしゅ」という料理店だったが、この店は今はもうない。
・以来、「もう一度ザリガニを食べてみたい」と思って30年ほどが経った。数年前、web通販でザリガニが買える事を知り、今回ついに注文して、食べてみた。

・アメリカザリガニ1kgと配送料をあわせて3000円ほどの買い物。100g300円というと廉いようだが、食べられる部分は少ないので、実際はかなり高い。送料や梱包料が高いので、3〜4kgまとめて買って5〜6人で食べるのが経済的だと思う。
・ペットの魚を通販で買う時と同じように、発泡スチロールの箱に入って届けられた。スチロール蓋を開けると、いきなりザリガニが入っていて驚いた。緩衝材としてだろうか、布袋草が多数同梱されている。
・昼前に届いたので、夕食に向け、鍋にザリガニを投入して冷蔵庫に入れておいた。鍋の蓋には念のため重しを置いておく。

・ザリガニ調理に必要な物:トングか火ばさみ、大きな鍋(直径30cm、高さ40cmほどの寸胴)、大きなボウル(直径30cmほどの物2個)、大きなざる(同じく直径30cmほど2個)、酒または白ワイン、片栗粉、調理ばさみ
(ザリガニ調理において一番のネックになるのは、ザリガニを入れておくボウルと、洗うためのざる、一気に茹でるための鍋、それぞれ大きい物が必要なので、これが用意できるかどうか。まあ、家中の鍋やボウルを総動員すれば何とかなるでしょう)

・なにしろザリガニなので、素手で触る気にはなれない。トングでも火ばさみでも良いので、ザリガニをつかむ道具があった方が良い。
・ザリガニ調理に関してweb検索をすると「背わたを取れ」だの「よく洗え」だの書いてあるが、つまりそれっていうのは、生きたザリガニを手で掴んで下処理しろということですね、ああいうのを「机上の空論」と言う。素人がいきなりそんなこと出来ないので、無視してよろしい。
・「背わたを取れ」というのはもっともらしいが、結論から言うと私の場合不要であった。「食用」として売られている物を購入したので、おそらく通販業者が絶食させていたのではないか。「背わた」ってのは要はウンコなので、2〜3日絶食させれば無くなるのだ。入手した物によろうが、絶対に必要な作業ではない。

・私は玉ねぎとセロリの葉をワインで煮て、茹で汁の元になるスープを作ったが、後から考えるとこれは不要。ゆで時間も短いし、茹で汁は単純に塩水で良い。

・いよいよ調理の手順だが、まず鍋の中のザリガニに片栗粉をまぶし、ワインか日本酒を少しかける(これはすぐに洗い流してしまうので、酒がもったいなければ片栗粉だけでよいと思う)それをざるにあけ、水ですすぐ。大きなざるを二つ合わせて球体にし、そこにザリガニを入れて流水の下で盛大に振った。海老の下処理には片栗粉を使うことが多いらしいので、片栗粉を使ってみたが効果の程は不明。
・洗ったザリガニは大きなボウルに入れて、ワインをかけておく。酒をかけると暴れるので、蓋は必須。酒はワインじゃなくても、日本酒でも可だし、香りを付けたいのであればシェリーやマデラ酒、ブランデーなんかでも良いと思う。

・あとは茹でるだけ。1kgのザリガニというと結構な量なので、大きな鍋が必要。スパゲティを茹でるくらいの塩を入れて湯を沸かし、ザリガニを投入する。最後のザリガニを投入してから5分間でざるにあける。

IMG_1037s.JPG

・ソースは知人からもらったノイリーソース(魚を使ったホワイトソース)、マスタードとディルのソース、それにレモン塩を用意した。どれもうまいが、用意するのが面倒であればレモン塩だけでも十分。醤油、マヨネーズでも良いが、それではちょっと情緒に欠ける。

・食べ方だが、まずしっぽを頭から引き抜き、調理ばさみで背中の殻をまっすぐ縦に、つまり頭の方から尾の方に向けて切る。そうやって殻をむいて食べると食べやすい。はさみの肉がうまい、という記述も散見されるが、食べにくいし肉も少ないので、私は尾だけを食べた。
・しっぽの裏が真っ黒で、甚だまずそうなのだが、食べてみると臭みはほとんど感じず、月並みな表現だが伊勢海老などとほぼ同じ感じ。ただ、ザリガニ特有の旨みや、子供の頃感じた官能的な香りはなかった。これはガッカリ。
・味噌がうまい、という記述もあるが5分茹でただけでは味噌は生臭く、うまくない。もっとじっくり茹でればうまいのかも知れないが、それでは肝心の肉が固くなるだろう。というわけで味噌は食べなかったが、蟹で言う「内子」に相当する部分は食べた。卵を抱いているザリガニも1匹いて、卵も少し食べてみたがこれはうまくない。プチプチする食感は面白いものの、なにか生臭さを感じる。この、卵になる前の、産卵前の卵というのが「内子」であって、これは頭の中にある。蟹と同じく、真っ赤な小さいカタマリであって、蟹の内子と同じ食感。

・白ワインを飲みながら嫁と二人で1kgのザリガニを食べたのだが、食べる部分が少ないので、あっという間に平らげてしまった。この程度ではお腹一杯にもならない。一人で1kg食べるのは多いかも知れないけど、そうですね、700gくらいが適量だろうか。4人で食べるなら3kgぐらいが良いと思います。

・食べてみた感想は「まずくはないが、わざわざ食べるこたぁないかなあ」というものでした。ただ「海老を手づかみで、殻をむきながら食べる」というのは楽しいのです。手巻き寿司パーティーのような感覚で、ザリガニパーティーをするのは楽しいと思います。ただ無知蒙昧な、つまりザリガニを食材として理解していない人間とそういうパーティーをすると、キャーキャー無駄に騒ぐと思うので鬱陶しいですね。

・余った頭はもったいないので回収し、スープ(ザリガニのビスク)にした。殻を砕きながら煮出す。1時間ほど煮ていると灰色というか、まさにカニミソ色になってくるので、ここで野菜を投入。私は冷蔵庫にあった人参を入れた。さらに煮詰めた後、ザリガニと野菜を取り出し、無塩トマトジュースとコンソメキューブ、パプリカ粉末、ワインを入れてさらに煮詰める。それを牛乳で倍に伸ばしてできあがり。
・これは海老のビスクと同じ味で、なかなかよろしい。
この記事へのコメント
補足情報:食用ザリガニを買ったwebのお店です。
http://miyoshiya3448.com/
Posted by LSTY at 2013年05月07日 18:11
ぜひ夏で中国に来てください!ピリ辛のザリカニ(麻辣小龍蝦| マーラーシャオーローンシャー)をぜひ試しください!必ず新たの世界があなたのまえで開けるぞ
Posted by DL at 2014年05月05日 17:36
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