2013年09月06日

さだに興味の無かったクラムボンのライブに初めて行ってきた感想

Pop is dead. クラムボンのライブ「ドコガイイデスカ・ツアー」を見に行ってきた。全国の「奇妙な会場」を選んでツアーを組む、こういう取り組みをしているバンドには好感が持てる。
 しかしライブに行くのって何年ぶりだろう。多分、1998年のKRAFTWERK以来だから、15年ぶり。芝居にはちょこちょこ行ってるけど、音楽は御無沙汰だなあ。

 クラムボンは原田郁子しか知らないし、曲もベスト盤レベルでしか聴いたことはないが、しかし良かった。相当良かった。
 今までCDで聴いていて全然意識していなかったんだけど、クラムボンはいわゆる「スリーピース」のバンドだ。ジャズの編成における典型例、ピアノ・ベース・ドラムという構成。ああ、スリーピースだな、と再認識していると、ジャズのカバーなんかの演奏が始まって「ああ、やっぱりジャズ志向の強いバンドなんだ」と納得。

 ベース・ドラム・ピアノの基本的構成に原田郁子の特徴ある声の取り合わせが素晴らしい。曲自体が良いし、ノリも黒いので聴いていて気持ちが良い。世の中には「ライブは曲を知ってないと楽しめない」と考えるカラオケ原理主義者が多いようだが、曲が良く出来ていればそんなこた関係ない、ということがよく分かった。

 さて原田郁子はシンセサイザー(Nordのステージピアノ。多分 electro3)を使ってるんだけど、シンセサイザーとして使っているわけではなく、ピアノの音しか出さない。普通は音色を切り替えるかキーボード2台用意して音のバリエーションを出すと思うんだけど、1台のみ、出す音もピアノのみってのはこだわりなんだと思う。エフェクターも、表に出ている物ではグラフィックイコライザーを1台だけしか使ってなかった(BOSSのコンパクトエフェクター)

 さすがに2時間のライブ、ベース・ドラム・ピアノだけでは変化がなく単調になってしまうのだが、ベースの人がものすごく工夫して、それを回避している。
 フィードバックやバイオリン奏法を多用し、ベースで出せる限りの高音域をギターっぽく使ったりして、多様な音を出している。バイオリン奏法は多分エフェクターで自動処理してるんだろうけど、ベースで使うとすごく味がある。バイオリンじゃなくて「チェロ奏法」「コントラバス奏法」という事になるか。
 使っていたベースは2〜3本、あとエレキギターとアコギ、これを持ち替えながら音のバリエーションを増やしてライブをうまく演出している。終演後に足下を見たら、マルチエフェクターを3台も使っていた(恐らく全てBOSS製だと思う)ベーシストでマルチを3台も使うってのはかなり変態系なんじゃないの?しかもただ置いてるだけじゃなくてエフェクター使い倒してる感がすごくあって、感心してしまった。
 こういうのはエイドリアン・ブリューみたいだなあ、と。つまりプログレッシブ・ジャズみたいなものを志向してるんだろうと勝手に解釈。後日、この人とドラムの人がやっている別のユニット(フォッサ・マグナ)のCDを買って聴いてみると、まさにプログレッシブ・ジャズ(プログレとフリージャズの中間のような物)で、やっぱりそういう志向の人なんだなあ、と納得した。
※注)プログレッシブ・ジャズというジャンルが実際にあるらしいのですが、私はそこらへん詳しくないので、私が言ってるのは「俺定義」です。フリージャズっぽく、荘厳でドラマチックな雰囲気、という程度の意味だと思ってください。あとエフェクターを多用して音響系っぽい雰囲気もあるか。

 なかなか作り込まれた素晴らしいライブではあったが、後半、盛り上がるにつれて楽器の音が大きくなり、原田郁子の喉も限界を迎えて歌声の魅力が落ちてくる。ちょうど一番盛り上がるはずの部分では、歌がひどく荒くなって、前半に見せたクラムボンらしい魅力はない。ここは大変残念だった。
 しかし後半に至ってもインスト曲なんかは非常に良い。「KANADE dance」と、ジャズのカヴァー「Goldwrap」なんかが非常に良かった。インストが良いってのは、いい。ずいぶん長い曲も演奏していたが、先述したベースの工夫が凝らされており、十分聴ける。

 上演時間はちょうど2時間ほど。なかなか結構でした。
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