2014年07月07日

天ぷら近藤・しながわ翁・味芳斎の牛肉飯・ぽん多本家で失意のトンカツ

Pop is dead.・また東京の記録だが、漫然と書くとダダ長くなるので、例によって「食べた物」と「見た物」に分けて記述する。

■7/3(木)
・夜遅かったので選択肢無く、芝・大門の酒肴いそやという店へ。食べログを眺めていて「葱と茗荷のサラダ」というメニューに惹かれたのだ。白髪葱、千切りの茗荷に、やや細かく切った水菜を合わせた物であり、これは酒飲みに好まれる野菜料理だと思う。もっと広まって良い。冷奴を頼んだら木綿豆腐だったのが残念。しかし、ここに件のサラダをのっけて食べると、これはつまみになるな。奴と葱茗荷サラダのコンビ、おすすめです。
・生ビールが臭い。キリンだと思うが、なんか変な臭いがする。瓶ビールが吉。

■7/4(金)
・せっかくの平日なので「朝から人目のあるところで飲まねば」と思い、大門のVASHONというオープンカフェっぽい店でホットドッグとビール。
・昼は11時開店の味芳斎に行こうかと思ったが、9時頃にビールなんか飲んじゃったもんだから中華に行く気にならず、芝居会場のある東府中へ。
・この東府中ってのが不毛の地で、劇場に至る道にはマズそうな店ばかり。スープカレーの店がまともそうだったがカレー腹でもなく、妥協の末モスバーガーへ。以前から限定品である「フレンチクルーラーを使ったハンバーガー」に興味があったのだ。
・ところがこの店、この限定品を扱ってない。ショッピングモールのフードコートにある店とか、そういう特殊な店舗ならともかく、町場の普通の店舗で限定品の扱いがないってのはどうなってるのか!ふざけるな!と思うが、他に店もなく、仕方なく野菜バーガーとクラムチャウダー。こんなもの、どこでも食えるよ!

・夜は今回の旅におけるメインディッシュ、銀座・てんぷら近藤
・店主が揚げる物が食べたかったが、別室(奥の揚げ場)に通されて大ショック、ここで戦意喪失。
・ミシュランに載った影響も大きいのだろう、中国人客が多い。中国人客はうるさくはないが、日本人から見ると明らかにテーブルマナーが悪い。食べる姿が汚い。まあ、そういう日本人も多いので一方的に悪くは言えないか。

・才巻海老2尾、穴子、きす、めごち、アスパラガス、茄子、ピーマン、小玉ねぎ、そんなものだったかな(順不同)それに天茶、果物で1万円。これ、ミシュランで星を取った店(しかも銀座の店!)としてはかなりリーズナブルなんではなかろうか。この価格に関しては、かなり評価すべき点かと思う。ビール1杯とお酒一合頼んで12,500円くらいだったから、サービス料も込みの料金であって、相当良心的だ。
・混んでいるせいもあってお好みの追加注文を訊いてこないのも良い。訊かれたらついつい頼みすぎて満腹を超え、さらに予算も超える事は目に見えている。
・ただ内容に関しては、特に可とも感じなかった。めごちが大ぶり・肉厚なのには感心したが、なんとなく自分としては山の上の方が好みに合っているように思えた。アスパラやピーマンが大きく切られすぎているのとか、なんか食べる側に対する配慮がないような気がするのだ。ピーマンが種ごと食べられますって言われても、種が特別うまいって事でも無いし、だからどうなんだという印象
・穴子は臭くなかった。以前、山の上で食べた穴子は臭かったし、近藤の食べログメニューを見ても「穴子が泥臭い」という感想が見当たる。江戸前に懲りすぎるあまり、良くない穴子を出さざるを得ない日があるのだろうか。
・天茶は初めて食べたが良い。ほうじ茶に塩と出汁が入ってるのかな。ほうじ茶だと格調は失われる気がするが、旨味という点においてはなかなか。
・最後、果物に「すいか」が出てきて驚いた。天ぷらにすいかというのは古来から「食べ合わせ」として忌避されていたわけだが、敢えてそれを出すというのは何かの判じ物だろうか。

■7/5(土)
・3日の夜に近くのコンビニで買った桃をむいて食べる。普通の平均的な桃、和歌山県産とのこと。

・品川経由で北品川へ行き、しながわ翁へ。
・永田町の黒澤には二度ほど行って、あの贅沢蕎麦屋も好きなんだけど、どうも蕎麦が普通だ。食べログのメニューによると高橋邦弘の弟子の店、いわゆる「翁系」の蕎麦屋としては黒澤は最低ランクらしい。じゃあ他の翁系蕎麦を食べてみよう、と思って来てみたのだ。
・しながわ翁は、たしかに真面目な蕎麦ではあるが、感動するほどではなかった。七味はやげん堀だろうか、都会的な七味だった。持論として「蕎麦に合う七味は八幡屋礒五郎だけ、都会派七味は合わない!」と思っていたが、ここの蕎麦には合う。あと、葱も合う。「蕎麦みたいに香りの重要な食べ物に、葱なんて合わない!」と思っていたが、これも持論が覆された。そして山葵がうまい。ここの山葵はうまい。ちゃんと大根おろしが添えられてるのも良い。薬味として大根おろしを添えてくる蕎麦屋は「分かってる店」です。
・なんか薬味ばっかりほめたけど、真面目な、良心のある蕎麦屋という印象はある。あと朝9時からやってるのも、いいねえ。

・昼は大門に戻って味芳斎・支店へ。たまに読んでいるブログに「特殊中華料理店「味芳斎」のおじさんについて、いくつかの思い出話」という記事があって、それを読んで笑ってしまって以来、気になっていたのだ。
・名物の「牛肉飯」を頼むが強烈に辛い。過剰に辛い。辛い物は好きなのだが、それでも辛い。汗だけじゃなく、涙も吹き出る。水を飲み干してしまった。涙目で「すいません、水ください」と言うと、店員が「ケッ、しろうとが!」という軽蔑した目を向けて、しぶしぶ水を入れてくれる。
・すじ肉っぽいトロトロの牛肉を味噌(かな?)と八角で煮込んだアンを御飯にかけ、もやしとパクチーを散らした物。辛すぎてうまいか不味いかよく分からなかったが、八角風味が強めで「中華!」って感じがする。あと、パクチーがすごく良い。アンを半分にして、パクチーを倍にしたら良いと思う。
・辛すぎて、元気よく「また行きたいです!」とは言えない店。縁があったらまた行くかも知れないが、行く人には警告しておきます「過剰に辛いぞ!」と。

・浅草・フルーツパーラー・ゴトーに行くが、味芳斎のせいで腹具合は最悪、冷たい物を食べると大変なことになりそうだったのでフルーツみつ豆にする。すいか・キウイ2種・パイナップル・オレンジ・チェリーが入っており、それなりに豪華。豆、あれは赤えんどうというのかね、その豆がしっかりと塩辛く、下町の店だなあ、と思う。ただ寒天に風味がない。豆塩辛く寒天に風味あらば情緒ありとも言えるが、そこまでは至らず。
・ただやっぱり夏にこの店に来たら氷すいかを頼まなきゃね。すいかのパフェも良いなあ。でも食えない。思えばうらめしい味芳斎!

・夜は浅草のどじょう料理飯田屋へ。駒形どじょうと並ぶ老舗のどじょう屋だが、どうも通になるほど飯田屋を好むみたいな空気を感じたので、行ってみた。
・結論としては、駒形どぜうの方がうまいと感じた。どじょうの形としては飯田屋の方が大きく太っており、一見良さそうに見えるのだが、割り下の味に工夫がなく単調だ。どじょうの下処理にも問題があるらしく、骨がトゲトゲとして食べにくい印象を受ける。駒形は骨柔らかく、割り下の味に面白みがあり、江戸料理として芸術的に完成された味覚だと思う。観光客相手の店と侮るべきではない格調を感じるのが駒形どじょう。飯田屋は、どうもあっさりしすぎていて面白味に欠ける。

・1年ぶりくらいで、門前仲町のバー、オーパへ。チーフ・バーテンダーというのか店主格の人が変わっていた。前のバーテンダーが好きじゃなかったので、またボチボチ通おうかと思う。
・夏の定番、すいかのソルティドッグとミモザ。もちろんうまい。
・その後、BigHornに顔を出す。今回は痛飲せず、モヒートとジュラの2杯でおとなしく帰る。

■7/6(日)
・朝はモスバーガー。どうしても「フレンチクルーラーのハンバーガー」が食べたかったのです。しかしハズレ。フレンチクルーラーはもともともろい上に水分を吸いやすいので、一口食べると全体がボロボロのグズグズになってしまって、全然ダメ。一食無駄にする。

・昼、浅草の並木藪に行こうと思ったらキチガイのような行列が出来ていたので断念。じゃあ駒形どじょうに、と思ったがここも店の前に人だかり。中国人観光客が増えて、この状況はどんどん酷くなってる気がするぞ。
・じゃあ浅草はあきらめて、上野、山本益博が「味のない素材の味を引き出した」とほめていたぽん多本家のキスフライ、これだ!と思って上野広小路へ。そうだよね、確かにキスは夏の東京の味覚としてもてはやされるが、味がない。うまいって物じゃない。その無いはずの味を引き出したって山本益博が書いてたら、そりゃ食べてみたくなる。どんなんやろか?と思ってずっと気になっていたのです。
・ところが、ところがです、店でメニューを開くと、キスフライがない!やめてしまったわけではなく、どうも仕入れの状況のようだ(敷居の高い圧迫感のある店なので、質問できる雰囲気ではない)仕方なく、失意のうちにトンカツを頼む。いや、ここはトンカツの名店なのだけど、俺はキス腹で来てるから。キス食べたかったけど妥協して豚って、気持ち的には最悪。
・で、失意のせいもあるかも知れないけど、トンカツ(2,700円、御飯・味噌汁【別】)は別にうまくない。これだったら僕は和幸のトンカツの方が良い。
・最初、衣の下が湿っていて「あれ、キャベツの水が出てるのかな?」と思ったが、名店でそんなことはない。つまり、カツを切った時に肉汁が垂れて衣を湿しているのだ。それだけジューシーだということ。しかし、食べ続けてゆくうちにだんだんパサパサした印象が強くなる。キャベツが多すぎる感じもするし、まあ老舗だという価値の比重が高い店なんだろうなあ。もちろん、この味を愛する常連客も多いんだろうし、存在を否定する気は全くないが、とりあえず僕はこの店のとんかつはしばらく食べなくていいや。
・ただ、添えられているじゃがいものフライ(多分マッシュポテトを揚げた物)は非常に良い。芋の甘みが絶妙。これはうまかった。これだけ8個くらいもらって、カウンターに備え付けのケチャップ、ソースつけながらビール飲みたい。でもメニューには「ポテトフライ」は無いんだよね、なんだよ、つまんねえ。

・そんな感じで今回の東京、食べ物に関してはあまり納得できる結果が残せなかったのが残念。しかし、近藤はもう一度は行きたいし、こうなったらぽん多のキスフライは一度は食べたい。ゴトーのすいかパフェも今夏ぜひとも食べたい、駒形どじょうのうまさをまた確認しに行かなければ!という、後悔の中に次回の課題が浮かび上がった旅でした。
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