2014年10月14日

銀座タテルヨシノと、新橋演舞場「獨道中五十三驛」の感想

Pop is dead.■10/12
・定宿の朝食、なんだかよく分からない魚の切れっ端とかなんだけど、何故か食べてしまう。
・門前仲町から浅草線で赤羽橋に出て、ホテルに荷物を預けて三田線で芝公園から神保町。三省堂で妖怪ワッペン(和片)を買ってスターバックスで時間を潰し、写真展を見て水道橋から東京駅へ。東京ステーションホテルのロビーで嫁と待ち合わせ(ステーションホテルの入り口は分かりにくいな。客を入れたくないのか!客じゃないけど)

・丸ノ内線で銀座へ。地下鉄の大手町・日本橋・三越前・東京、どの駅もJR東京駅から離れていて不便だ。あれ、どうにかならないのかね。例えば動く歩道を作るとか、半蔵門線に行く道なんかはどっかブチ抜いてもう少し分かりやすくするとかさ、日本橋・三越前まで地下道を掘るとか、何とかならんもんかね。

・タテルヨシノ銀座店へ。エクルビス(ザリガニ)が品切れなので8,000円のコースにする。メインは鮭。
・お通しはチーズ味のシューみたいな奴。アミューズはボルシチ風カクテル。グラスにサワークリーム、コンソメか何かのジュレ、ビーツのムース状の物が入っていて、食べると口の中でボルシチになります、というもの。まあ何と言いますか、ありがちですよね。
・スープ?としてきのこのカプチーノ仕立てというのが出てきたが、これが大蒜臭い。うまいが、ここまで大蒜を効かせるべきか。
・前菜は山羊のカルパッチョ。調べたら吉野建は喜界島出身なんだね、俊寛つながりやな。たしかこれも大蒜が強かったように記憶
・サラダは、無数の種類の野菜がちりばめられた物で、非常に綺麗なやつ。ご丁寧に使ってある野菜のリストまでくれる。まあ女性が好きそうな楽しい料理なのだけど、これはうまい!という野菜がない。悪い言い方をすれば見かけ倒しだ。
・メインの鮭(サーモン・ミ・キュイ)は火の通し方が絶妙ではあるが、それ以外には特に感想なし
・アヴァン・デセールは言うなればデザートの前菜か、これはミントアイス、トニックウォーターのゼリーなどがカクテルグラスに入っていて、口の中でモヒートになるとかいう物。アミューズとかぶってんじゃん。
・デザートはチョコレートムースとアイスなど。普通。これに小菓子(マカロン)とコーヒーで8,000円
・銀座でこの値段ならアリなんだろうけど、正直、もっと「このレストランならではの料理」みたいな、光る物を期待していたので完全に期待はずれ。言っちゃあ悪いがこの程度の料理なら、私が住んでるクソ田舎でも食えるよ!
・例えば近藤や山の上のレベルの天ぷらって、クソ田舎では絶対に食べられないんです。ちゃんとした寿司や懐石料理もそう。しかしフランス料理・イタリア料理なんかに関して言えば、田舎でもそれなりの店ってのがあって、東京の一級店と同じレベルの物が食べられる、そういう事を学びました。「わざわざタテルヨシノに来なくても、あそこかあそこで同じ金額出した方が面白い物が食べられるよな」という具体的なイメージもあった。
・でもこういう高い店、最近行ってなかったな。たまには行かないとダメだね、高い店。こういう店でどう振る舞うべきかっていうのを、しばらく行かないうちに忘れてしまうから。

・三越で弁当(また赤飯弁当)を買って新橋演舞場・夜の部へ。

・夜は「獨道中五十三驛(ひとりたび53つぎ)」一言で言うと、あまり良くなかった。いや、エンターテインメントとしては凄く良いんですよ。今まで見た歌舞伎の中で、こんなにテンポの良い芝居はない。宙乗り、ワイヤーアクション、クレーンを使ったシーンなど仕掛けもこれでもかと詰め込んでるし、約5時間とは思えないスピード感がある。歌舞伎を見たことのない人が初めて見て「えー、歌舞伎ってこんなに面白いの!」と思ってしまうような公演ではあった。
・しかしそれだけに、芝居をじっくり見せるような部分が全くないのよ。芝居を見に来たなあっていう情緒が全然ない。ただストーリーがザザーッと流れていくだけ。その点、今年染五郎がやった「伊達の十役」なんて良かったなあ、先代萩の場面で時代物の重厚さを見せながらケレンたっぷりというバランスが良かった。今回の「獨道〜」には、その重厚さが無い。

・この芝居での中村米吉の役どころは「恋敵を五寸釘で呪い殺そうとする女」で、その恋敵がはからずも姉であるという、結局その姉から恋人を奪って逃げるてな、これも悪女と言うか小悪魔というか、良い役。昼も夜も随分良い役が付いてるなあ。
・その後、岡崎の怪猫の話があって宙乗り。今夏「趣向の華」の袴歌舞伎で芝雀の化け猫を見たが、あの方がずっと怖かった。怖い芝居にはタメが必要なのだが、この芝居には全体にタメがないのだ。あれでは怖くない。
・その次の幕、本水での立ち回りはとても良かった。男女蔵も水の中に入って奮闘。笑也の亡霊が出てくるのも神々しい感じだし、感動する。あそこで終わりで良いじゃん、と思う。
・大詰めの踊り(?)は私に言わせれば付けたり。これもただ早替わりを消化するための幕で、そこに面白さが無い。土手の道哲の踊りがちょっと良かったけど、スピード感が最優先になってて踊りもちゃんと見せる感じでは無い。紅白歌合戦における「○○メドレー」みたいな、せからしい雰囲気で落ち着かない。

・早替わりに工夫が無いんだよね、伊達の十役における傘を使った早替わりや、天竺徳兵衛での蚊帳の中での早替わり、みたいな見せ場が無い(傘のやつは大詰めで出てきたが、もうちょっとうまく見せて欲しかった)駕籠の中に入っている人が入れ替わるのだって、あんなスッポンの真上でやられては面白くも何ともない。
・たしかにさっきまで猿之助があっちに居たのに今度はこっち、というスピード感は凄いんだよ、でも「早いだけ」で、「えっ?いつの間に変わったの?」と思わせるものが無い。「あー、あそこで変わったんだね」と分かってしまう。マジシャンをコンサルタントに入れて工夫するとかしないと、あれでは面白くない。
・さらに、早替わりで出てくるたびに周囲の客が「さっきまであそこに居たのにね」「あれ、猿之助よね」とかしゃべりまくるので鬱陶しい。ほんと、歌舞伎の客質は悪くなったねえ。特に猿之助公演では客の大半がしゃべってる印象を受ける。昔なら注意したが、今やみんなしゃべってるので注意してもキリが無い。

・いやまあ、サービス精神旺盛ですごい舞台ではあるんだけど、また見たいか?と言われれば見たくはないな。芝居としては昼の部の方が面白かったかな。スピードが速すぎて、またコメディーに振りすぎている部分が多くて客席もうわついてるし、どうもねえ。

・各役者について。猿之助は化け猫に変わる前の老婆が良い。右近が悪役・亀鶴が善役だが逆の方が良いと思う。亀鶴は悪役顔だから悪い役で見たい。男女蔵は顔通りの悪役で、コミカルな場面もありこの人向きの役どころ。竹三郎は言わば乞食の女親分のような役だが独特の気品が良い。寿猿がヘタで芝居をぶちこわしている。使うならチョイ役で済ましてくれないと、何場面にもまたがって出てくると激しく興をそぐ。
・米吉はもっと悪い女でも良いと思った。姉の顔が崩れたことを実は喜んでいるという演技があると素晴らしい。そんな演技はまだ難しいだろうけど。というか本当は五寸釘を打つのはお袖であるべきだと思うんだよなあ。

・終わって築地市場から赤羽橋へ。ホテルはザ・プリンス・パークタワー東京。東京タワーが見えるホテルということで泊まってみたのだが、どうもこの、部屋の窓から真っ正面に東京タワーが見えて「どうです、この眺望!」てのがストレートすぎて、なんか面白くない。贅沢な話だけど。
・やっぱり大門あたりの普通のホテルに泊まって、窓の隅にタワーが見える、という情緒の方が良いな、僕には。
・ホテルのバーで何杯か飲むが、ここもタワー眺望のカップル向けソファー席なんてのがあって、まあ所詮プリンスホテル的な田舎者向けの施設だなあ、などと思ってしまう。

■10/13
・ホテルの朝食は和食を選んだが、全くどうと言うことの無い料理。山の上ホテルなら焼魚にちりめん山椒、庭のホテルなら木の葉型の練り物(ひろうす?)というスターがいるが、ここの朝食には主役がいない。やる気のない料理としか言いようが無い。

・JRが「16時以降運休」とかふざけた事を抜かしやがったため、帰路、東京駅は大混乱。どうにもならずこだまで3時間かけて帰る。JRの馬鹿野郎。
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