2015年06月18日

6/13-15日記(観劇三本・万年筆三本)

Pop is dead.■6/13
・品川から新宿経由で初台へ。京王新線が遠く10分ほど歩いたか。案内に沿って歩いたのだが、何か新宿駅の同じ所をぐるぐる回らされているような気分になる。
・時間があったので初台駅近くの刀剣博物館へ。ガラガラかと思ったらかなり人が入っていて驚く。備前の刀剣特集で、妖刀という風情のものから非常に上品なものまであり、堪能
・オペラシティ地下のカフェでカンパリソーダとパニーニが昼食

・新国立劇場「東海道四谷怪談」2階席で、なんとオペラグラスを忘れてきたので、だいたいの雰囲気で見る。台本は歌舞伎のものをストレートに現代語化したようなものなんじゃないか。客は現代劇の客なので、そこらへんでちょっと齟齬があるような気がした。お岩の顔を見た伊右衛門が「変わったわ変わったわ」というと客席が笑う。そのような「歌舞伎特有の演出」で悪落ちがする場面が何ヶ所かあった。変にいじっていないので芝居としては破綻せずにすんでいるが、その分つまらなくまとまっている。これなら歌舞伎で見た方が面白いだろう、という舞台になってしまっている。
・面白いな、と思ったのはお岩を単なる「悲劇のヒロイン」ではなく「女ならではのいやな感じ」を出しているところ。女の嫉妬、恨みをいやーな感じで出している。女形ではなく実際の女がお岩を演じると、いやな感じが出るのだと思う。それをさらに強調する演出のように感じた。これは歌舞伎では出ない部分かも。
・あとは大道具や照明に工夫があり、そこは面白い。大きなふすまのような一枚板を使った場面転換、空中に回廊が現れる仕掛けや、プロジェクションマッピングのような照明の演出、あとお岩の幽霊の足下に炎が上がっているとか、10代の頃にこの芝居を見たら結構衝撃だったかもしれない。

・新宿へ戻り、文具店キングダムノートへ。ペリカンM300(緑縞B字)を購入。M300はペリカンの中でも非常に柔らかいペン先ということと、あと最小クラスのピストン吸入式万年筆ということで一本は欲しいと思っていたもの。廃盤品ではないものの、製造本数が少ないためか店頭で見かけることはあまりない。本当はこれの赤縞なんかがあれば良いのだけど、待っていても出そうにないのでペリカンの看板カラーであるグリーンで妥協
・さて、ペリカンが数年前から販売している「蛍光色の万年筆」というのがある。M205DUO。専用の蛍光インク(ハイライターインク)を使うのだが、このインクがクセモノで、詰まる詰まる。もう我慢できないのでハイライターインクを使うのはやめた。その代わり、蛍光に近い黄色とグリーンのインクを入れて使おうと思う。というわけでインクを選ぶ。この店には「メーカー別」と「色別」の色見本帳があるので便利。黄色はエルバンのブトンドール、緑はDIAMINE(ダイアミン)のジェイドグリーンにする。黄色はデルタのイエローの方が好みだったが、インクメーカーとしての格式を尊重してエルバンにした。ダイアミンのインクなんてレアなので、次に買うときはエルバンのディアボロメンテにでもしようかと思う。緑というより水色だけど。
・ヨドバシでオペラグラス買う。

・夜は紀伊國屋サザンシアターで井上ひさし原作「戯作者銘々伝」紀伊國屋にあるのかと思ったら、南口にも紀伊國屋があるのか。知らなかった。
・「戯作者銘々伝」の各話と「京伝店の烟草入れ」をオムニバスっぽくつなげたもので、さすがに井上ひさし原作なので面白い。唐来参和はしゃぼん玉座(小沢昭一)がすでに舞台化しているために敢えて省いたよう。西岡徳馬ってテレビで見る限り大根役者だと思ってたんだけど、冒頭出てきていかにも井上ひさしっぽい台詞回しで客席を引きつけるあたり、すばらしかった。
・男ばかりの舞台で新妻聖子という人が紅一点。この人、三谷幸喜「国民の映画」でレニ・リーフェンシュタールの役をやってるのか。

・BigHornで飲んで帰る。

■6/14
・若干二日酔い気味。サブウェイでアボカドベジーのサラダとスープが朝食

・三越で弁当を買おうと思ったら10:30開店とかふざけた事を抜かすのでやめる。歌舞伎座入場し、すぐに3階で中村米吉の舞台写真をすべて購入。そういえば、歌舞伎座が新しくなってから通常席での観劇は初めてだ。
・昼の部は「天保遊侠録」から。真山青果だし寝ておこうかと思ったが、意外と面白い。橋之助も良いが、芝雀が良い。中村国生が全然ダメ。まだ20歳なので仕方がないが、だからといって下手な者をあんな重要な役で使うべきではない。
・次から夜の部にかけて「新薄雪物語」仁左衛門、菊五郎、幸四郎、吉右衛門、歌六、魁春、芝雀、時蔵が出る、近年まれに見る「本物の大歌舞伎」だが、昼の部は小手調べという感じでごく軽く終わる。要は時代物の、重厚でもない「つまらない場面」なんだけど、しかしこのところ若手ばかりの「ライト花形歌舞伎」ばかり見て来た身としては「これこれ、こういうのが最近の俺に足りてなかったんだよ」と思う。子供の頃だったら確実に寝てた演目だけど、おじさんになってこういうのが良くなってきたということか。
・昼食は辨松の赤飯二番。赤飯は糊化してるし、里芋はゴリゴリだし、最悪の弁当だった。これなら三越の開店を待った方が良かったか?

・昼の部終わってプロントに行ったらアルコールはビールだけってんで、アイスティー飲んで時間をつぶす。昔は昼でもワインとかも出してなかったか?

・「新薄雪物語」は夜の部でヒートアップ。広間から合腹、三人笑いとバッキバキの重厚感。幸四郎も渋いけど何しろ仁左衛門が最高。三人笑いの時の表情に「自分は死ぬが若い二人と奥さんで生きていってくれ、それで良い、それで良い」という思いがこもっており、泣ける。魁春も良い(ぼくは魁春の顔の作り方が嫌いで仕方ないんだけど、今回演技の面でそれを補い、全体として良かったと思う)
・ただ最後の刀鍛冶の場面は、どうも締めくくりとしてぱっとしなかった。昨年の後半以降、どうも吉右衛門が良くないと思う。舞台上で大きさを感じない。双蝶々や絵本太功記は良かったけど、そのほかの演目ではどうも元気なく見えた。そういうわけで正宗内はいまいちだった。
・最後の「夕顔棚」は、時代物をたっぷり見たあとに、お茶を飲みながら添え物のぬか漬けをポリポリかじるような感じの良い演目。優しくしっとりとして、幸せに満ちた作品

・終演後、オストレアで牡蠣。今回のアタリはコフィンベイ、ハズレは的矢。

■6/15
・ホテルで朝食後、サントリー美術館で尾形乾山展。前半の展示を見て「なんだただのインテリ芸術家か」と思っていたら、後半いきなりアブストラクトなやつ(芒文・松波文の蓋物)が出てきてびびる。あの二つは良かった。
・ファーバーカステルの店を覗いて乃木坂から表参道、文具店・書斎館へ。
・デルタに続いてモンテグラッパの万年筆が壊れてしまい、イタリア万年筆が不足しているので何か買おうという考え。しかし欲しいものは見つからず。しかしただでは帰さない書斎館さん、カステルのオンドロに木軸が出ているのを見つけ、買う気はあまりないのだけど試し書きしてみるとずいぶん良い。これは!と思って買ってしまう。
・うーん、ヨーロッパ製の万年筆というのはステンレスペン先でもこういう書き味を出してくるんだなあ。スティピュラのヴェドヌーダも最初は「なんでステンレスペン先で2万円もするんだよ!」と思っていたが、書いてみると納得なわけです。インクの流量が多いため、それがペン先の堅さを補ってスムースな書き味を出してるわけですな。こういうのは、ステンレスペン先でも廉物、たとえばLAMYのサファリなんかとは全く違うわけです。
・あとはキングダムノートで品切れだった色雫の山葡萄、それにペン先を買って帰る。

・銀座線で銀座へ。二回目の天ぷら「近藤」前回は奥の揚げ場で残念がったのだが、今回は入ってすぐの席、すなわち近藤店主の揚げる天ぷらが食べられた。
・しかし、どうもうまくない。えびは大ぶりのもので衣もぼてっとしていて、めごち、あなごなども特段良くない。きすは、よく味わってみると、ずっと奥にある味が探し当てられる。そこに面白みがあったが。めごちもフワフワ感はすごかったけど、味はあんまり。河村さんに勧めてもらったうにも、残念ながら感動するほどではなかった。
・うまかったのはアスパラガス。天つゆをつけると、日本酒に合う。そのほか、野菜系もさしてうまくない。
・うーん、これでは昨年食べた弟子の方が良かったぞ。もっと言うと、山の上の方がずっと良いぞ。まあ1万円でこれだと天ぷら(しかも銀座の)としてはリーズナブルだとは思うが、私としてはどうも満足できない。
・なお、客の約半分は中国人のようだ。で、日本人と外国人だと出てくるものが若干異なる。日本人にはピーマンが出るが、中国人には代わりに茄子が出されていた。好みの問題なのか、あるいは「種ごと食べろ」という説明が面倒くさいのか、理由はよく分からない。
・さて、昨年来たときには中国人のマナーの悪さ(食べ方の汚さ)が気になったが、今回はそうでもなかった。やっぱりマナーは徐々に向上しているのではないか。

・丸ノ内線で東京に出て帰る。帰宅して、注文していたペリカンM101Nリザード届く。
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