2016年11月14日

11/11-13日記(仮名手本忠臣蔵5-7、田舎でiPhone)

Pop is dead.■11/11
・夜遅く門前仲町、BigHornへ。深夜過ぎまで飲む。

■11/12
・国立劇場「仮名手本忠臣蔵」の二部(5〜7段目)へ。

・序幕「道行旅路の花聟」は半分寝ながら見る。好きな幕ではないけれど、この幕を最初に入れる事でお軽という女の積極性、男をくどき、さらにその男を引っ張ってゆくというような部分が確認出来る。
・道化役の鷺坂坂内にいちいちゲラゲラ笑うおじさんがいて鬱陶しい。
・となりは芝居マニアっぽい老人で、いちいち資料や文楽の台本を見ながら舞台を見ている。不快ではないけれど目にうるさい。

・五段目の斧定九郎は松緑。台詞がダメで踊りは上手い役者なので適役だが、ああ太っていては定九郎の雰囲気がない。

・六段目、菊五郎の勘平に菊之助のお軽、お軽の母親、おかやに東蔵。一文字屋女房に魁春、その手代(女衒)に團蔵。
・この幕は非常に良かった。東蔵って人間国宝にする程かね、と思っていたけど、この幕を見て「ああなるほど、良い芸だ」と思えた。おかやは、ハナっから勘平という男を信用してないんだよね。なんでこんな男のために我が家がここまでしなきゃいけないのか、というのが芯の部分にある。それが、父親与一兵衛の死によって爆発する感じが壮絶だった。女の、というか母親の本質を表現した演技だと思う。

・菊五郎も老けたし太ったし勘平は多少きついかと思ったけど、しっかり勘平だった。この人の演技は臭いイメージがあるけど、この幕では過剰でなく、しかしそれでいてしっかりと悲劇的で美しかった。
・菊之助も当然良かったし、團蔵も珍しく悪くない。魁春も、原郷右衛門の歌六も「ああ、これが六段目だな」という感じで、全体的に破綻がなく、しっかりと盛り上がる、ある意味完璧というか、完成された芝居だった。逆に言えば、こういう「完成された幕」というのが近年の歌舞伎では珍しくなってきた、ということでもある。

・帰ってDVDで勘三郎、歌右衛門の六段目(おかやは又五郎)の六段目を見たが、こちらは勘三郎が臭く、歌右衛門が控えめすぎ、又五郎に「母親力」がない。個人的には今月の国立で演じられている六段目の方が優れているように思うが、こういうのは50〜70年くらいに渡って芝居を見続けている人に訊かないとよく分からない。

・七段目のお軽は雀右衛門(前・芝雀)、平右衛門が又五郎、由良之助が吉右衛門。前の国立での通しでは確か梅幸、羽左衛門、仁左衛門だった。それと比べてしまうので、又五郎が小さく見える。というか羽左衛門の平右衛門なんてのが重すぎるのかも知れず、又五郎ぐらいの感じがちょうど良い、という見方も出来る。
・吉右衛門の由良之助は「足の軽ぅい足軽殿か」といった台詞回しや、肩を落とす仕草などが人形浄瑠璃そのままで面白かった。雀右衛門も「うん、ここのお軽は菊之助じゃなくて雀右衛門が正解だな」と思える重みがあり、この幕も概ね満足。力弥は種之助で「米吉にやらせろよ」と思ったけど、種之助は種之助で「ブサかわ」というかコケティッシュというか良い力弥。

・やっぱり国立劇場50周年で忠臣蔵、となるとしっかりしたクオリティの舞台を見せてくる。結構でした。
・今回初めて、お軽という女を軸にして五段目から七段目を見た感じ。勘平でも由良之助でもなく、お軽という「強い女」をメインに据えている気がして、こういうのはいかにも現代的な演出であったり感じ方なのかも知れない。そういえば、与一兵衛家で生き残るのは女だけなわけか。

・終演後、資料館を除いてから永田町のスペイン料理店「マドゥレス」へ。店の雰囲気は良いが、料理に関しては特にどうと言うことはない。ただ不味いというわけでもないし、法外に高いというわけでもないので、デートでお茶を濁すには良いんじゃないでしょうか。お茶濁し系レストラン。
・その後、表参道のバー「ラジオ」へ。落ち着いたバーでありながらユーザーフレンドリーな感じで、言うなれば「ミシュランで星を取りそうな店」ただ、よく言えば「いたずらのない、本格的な店」だけど悪く言えば「面白味に欠ける店」なのかもしれない。
・門前仲町に戻ると「BigHorn」が既に閉まっていたので「オーパ」へ。ここはいわゆる「面白味のある店」で、季節の果物を使ったオリジナルカクテルが売りの店。若い女の子を連れてくるなら、こういう店の方が間が持つ。ただ、ギブソンを飲んだらパールオニオンが悪くなってた。これァいけません。

■11/13
・銀座のアップルストアでiPhoneを交換。
・Apple製品というのは都会に住んでる人間のための物であって、田舎に住んでいる以上、あまり手を出すべきものではないと思う。

・というのは、田舎でiPhoneが故障するとヒドい目に遭うのですよ。まずソフトバンクに行くと「指定の修理業者に行ってください」と言われる。修理業者に行くと「こちらでは代替機が用意出来ないので、ソフトバンクで代替機を借りてきてください」と言われる。ハァ?でしょう。パチンコ屋と景品交換所みたいに、ソフトバンクと修理業者が隣り合ってれば良いですよ、しかし現実はそうじゃなくて、車を20分も30分も走らせなきゃいけない。そこを何往復させるんだって話ですよ。ふざけるんじゃねえ。

・要はソフトバンク・修理業者・アップルが全く連携してないというか、消費者中心ではなくアップル中心にシステムが出来てるからこうなるんだと思う。三社がそれぞれ互いを全く信用せず、また相手の分野には一切足を踏み込むまいという姿勢なので、ユーザはその間で翻弄される。アップルの姿勢からすると、今後も「田舎で、iPhoneの修理がワンストップで可能になる」とは考えにくい。そうなると、アンドロイドに乗り換えた方が無難なのかなあ、とも思う。

・というわけでわざわざ銀座で交換。担当はいとうせいこう似のお兄ちゃん。iPadの修理に来てクレームを言ってる中年夫婦が居た。いわく「機械というのは古くなると壊れるのに、保証が3年で終わるのはおかしい」と。うーん、気持ち&理屈としては分かるんだけど、製品保証ってのは慣例的にそういうものだからなあ。結局、当然ながら彼らの主張は通らず、怒って帰って行ったけど、不思議な人だった。
・松屋の地下に「銀座共同溝」の覗き穴があって、そういえば銀座には電信柱がないな、と、この歳になって初めて気付く。

・表参道の仏像屋「イSム」と、書斎館へ。イSムには帝釈天像(教王護国寺)のフィギュアもあり。これは非売品で、購買ポイントに応じてもらえる物との由。書斎館は喫茶サービスをやめてしまったようだ。

・千代田線で国会議事堂前に出て、首相官邸をぐるり。通用口からラーメン屋「はしご」へ。下記リンクの記事がまんまシン・ゴジラで、8ページ目にこの店の事が出ていたので首相官邸周りを見た後、ここで担々麺(だんだんめん)ってのをやってみたかったのだ。首相官邸の通用口を出ると0分でこの店。なかなか良い雰囲気だった。痔なので辛味抜き(マイルド)
「官邸や自分に不利なことも正直に話す」 寺田学・元首相補佐官が語る東日本大震災の15日間【1/8】 | 寺田学

・千代田線で大手町、将門様にお参りした後、帰宅。首塚周囲のビルは建て直し中でサラ地になっており、何台も重機が入っている。その中で塚の一区画だけがそのまま残っていて、これぞ将門塚!という風景
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