2008年05月27日

「天保十二年のシェイクスピア」感想と酒日記

天保十二年のシェイクスピア・井上ひさし作・蜷川幸雄演出「天保十二年のシェイクスピア」を見る。
・買ったわけではなく、嫁の書棚にあったもの。

・結論としては、可くらいのレベルか。それなりに面白いんだけど濃密ではないというか。
・この芝居は、シェイクスピアの全戯曲の筋や場面や台詞を抜き出して、舞台を日本に変えてみましたという、ある種のパロディー作品です。そういう意味で、シェイクスピアを読んでいればちょっと面白い。

・4時間弱の大作。ただダラダラ長いというわけでなく、ぎっしり詰まっている。めまぐるしいストーリー展開。
・ここで矛盾する欠点がある。4時間に収まらないお話を4時間に詰めているから、どうしても駆け足になる。それによってお話が全体的に薄味になる。詰め込みすぎて薄まってしまう芝居。

・登場人物も随分多い。DVDには「人物相関図」がついているが、これ見ただけで頭がクラクラする。
・しかしここはさすがだと思ったんだけど、話がもつれることはない。見ていて「あれ、あの人は誰だったっけ」って事がない。何しろ登場人物がどんどん出てきてはどんどん死ぬ。話が混乱する前に死んでゆくから、見ている方はずいぶん楽だ。

・全体的にダメな芝居ではない、それなりに面白いし、活力のある芝居だけど、結局筋をなぞっているだけになっちゃう。これはもう仕方ない。あれだけ話を詰め込んでスピードを上げて、プラス濃密な演技を求めるなんて無理でしょう。
・その中で毬谷友子は絶品。毬谷友子がいなければ、この芝居は単に「ガチャガチャした芝居」だったと思うほど。この芝居の全ては、毬谷友子登場シーンのためにあると思うほど。

・まあどうなんでしょうねこの芝居は。シェイクスピアを見たことがない人が見て、4時間で「ああ、シェイクスピアってこういう作家なんだ」となんとなく理解するためには良いかも知れないですね。
・ただ一つ留意点は、シェイクスピアはああいうセックス描写はしてないですからね。

・細かい難癖としては、挿入歌のメロディーが貧乏くさい。狙いだろうけど歌謡曲臭が強すぎて少し嫌な感じ。
・あと、DVD化に当たってオープニング・エンディングの歌の一部がカットされている。権利問題の所為だが、これはひどいと感じた。実に興が削がれる。実に不快だ。あんなに無様になるのなら一節丸ごとカットすればいいのにと思う。

・個人的には、こまつ座の公演をDVD化して欲しいけれど、出しても売れないんだろうなあ。「世界のニナガワ」くらいの看板がないと、芝居のDVDなんて売れないんだろうな。

・以下日記。
・菊正宗が無くなったので土佐鶴を買ってくるが、妙な味がして好きになれない。次は越の景虎にするか。
・今までほとんど日本酒は飲まずにいたので、日本酒事情を知らない。高くてまずい酒がザラにあるって事くらい。量販店の日本酒売り場に行って驚いたのは「灘の酒」の少なさ。
この記事へのコメント
 毬谷友子って聞いた事ある名前だなーと思っていたら、先日観た「夢二」に出演している女優でした。あの映画に出ている女優の中ではピカイチでしたよ。
Posted by doggylife at 2008年05月27日 20:48
■doggylifeさん
 この人、宝塚にいた時から見てるはずなんですが、当時の印象はあまり無いです。退団後の活躍はすごいですね、声が特徴的なのも一因でしょうが、台詞回しも動きも独特で、舞台で非常に映えます。
Posted by LSTY at 2008年06月04日 09:14
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