・以前、
釜玉うどんを自宅で作るコツみたいなものを書いたんだけど、あれはコツと言うほどの物ではない。味の特徴と、絶対に犯してはいけない失敗さえ押さえておけば、まあ誰にでも作れるという話がしたかった。
・それとは全く別に、最近たまに作って食べてみては「ああ、こういうのも良いな」と思うのが「釜玉そば」。蕎麦の食べ方としては非常に邪道だと思いつつも、素朴というか無防備な感じが良い。
・調べてはいないけど、こういう食べ方は一般的ではなくて、一応自分ではオリジナルメニューだと思っている(オリジナルと言うほどの料理ではないが)
・最低限必要な材料は、そば(乾麺)、めんつゆ(ストレートでも濃縮でもよい)、玉子、以上。
1.どんぶりに玉子と蕎麦つゆを入れ、泡立つくらいに箸でよくかき回しておく。この時の味付けは、特に濃いめにする必要はない。
2.蕎麦を茹でる。茹でている間も、1の玉子をかき回しておく。蕎麦のゆで加減は、特に堅くする必要もないが、茹ですぎてはいけない(既定のゆで時間を超えないこと)
3.蕎麦がゆであがったらざるに空け、湯を切ったら1のどんぶりに入れてざっくり混ぜる。
4.薬味として七味などふりかけて食べる。この時の七味は、八幡屋礒五郎ではなく、黒七味の方が良いように思う。山椒でもよいし、ラー油にしてもおいしい。
・これだけの食べ物である。蕎麦は釜揚げでしめないので、フニャフニャと柔らかい。しかし水でしめない分、香りは逃げないし、暖かい方ので、自宅蕎麦としてはかなり香りが立つ。
・玉子は蕎麦の熱でところどころ固まっている。
・ズルズル。うん、これは粋ではないな。この「粋ではない感じ」が良い。しゃっちょこ張らずに、江戸時代のファストフードを楽しめる感じ。
・5年前の私なら「そんな食い方は邪道だ」と一蹴していたんだろうけど、最近じょじょに老人力を身につけてきたので、こういう物も楽しめるようになった。
・あとバリエーションを付け加えると、1の時点で納豆を入れるのも良い。