2020年02月24日

やっぱり「自分が生きる」べき場所っていうのはあるんだなあ。

Pop is dead.
・先週末は住居物件の内見で東京へ行ってきた。
・帰り、東京でJRを一旦降りて丸善で英和辞典を購入。父親から引き継いだものがいい加減へたって来たので探していたのだ。辞書についてはAmazonでは買えない、実物を見なければ、と思って丸善まで行ったのだけど、結論としては「どれも同じような物」だった。
受験向けの辞書か、そうではない一般的な辞書か、という程度の差
・結局、父が持っていた辞書が研究社のものだったので、同じく研究社の収録語数の多いものを選んだ。
・値段を見間違えて5,000円だと思ってたんだけど、レジで「8,800円です」と言われて動揺した。値段見間違えてた!
・結局その8,000円の辞書を買ったんだけど、広辞苑より高いじゃないか!
・「日本人として、国語辞典より高い英和辞典を持っている」というのは、なんか屈辱的だなあ。

・で、東京駅の丸の内口付近を歩いていて「東京にいると『生きてる』って感じがするなあ」と口にする。
・東京に来るたびに思う。
・奥さんから「なんで?」と問われ「町が生きてるから」と応える。
・そうだな、町が生きているというか町が常に変化し続けているから、かな。
・とにかく、僕は今までしょっちゅう私用で東京へ来て、新幹線を降り、日本橋口から出て空気を吸うたびに「ああ、俺は生きてる!」と感じた。最適なBGMは、ベタベタだけど、ピチカートV「東京の合唱(コーラス)」か「東京は夜の七時」、あるいはクチロロ「tokyo」

・やっぱりここが「自分がいるべき場所なんだな」と確信した。

・年明け以来、気力低下がひどかったんだけど、今回東京に行ったこと、それから引っ越し業者の手配等をしてゆく中で、だんだんと「活動する」というペースが出来つつある。
・引っ越しは梱包作業も含めたパックにしたので、やることは限られている。一応3月末をマイルストーンにして、不用品処分、粗大ごみ回収業者の手配、インフラ系の移行手続き、それから車を売る手配さえしてしまえば、それでOKかな。
・あーそれからベッドは向こうで買いなおすから、その事前手配が必要だな。今度東京に行く時に、適当な場所にニトリがあったら手配しておくか。

・で、今回見に行った物件が偶然「犬飼育可」だったので、もしかしたら犬を飼うかもしれない。特段犬が好きというわけでもないのだけれど、もともと私は自堕落な人間なので、休日の生活サイクルというのがめちゃくちゃなんですね。
・鬱と診断されて休職し「毎日が休日」になってからは自重しているけど、それまでは土曜の朝起きてすぐに焼酎飲み始める、くらいのダメ人間なんですよ。
・普通は子供が生まれることでそういう部分を律するようになるんだろうけど、うちには子供がいないので、僕は僕自身が子供のように、勝手で適当に生きている。
・犬がいると、世話をしないといけないから、そういうわけにも行くまい、と思うわけですね。ある程度決まった時間に餌をあげ、散歩もしなければいけない。
・そういう自分を律するため、悪い言い方になるが「道具」として犬を飼っても良いかなあ、と思い始めている。

・ただ犬を「買う」という選択肢はないので、引き取り手のない犬をもらってくる、という事になり、そうなると部屋で買える小型犬っていうのは難しいかな、とも思っている。
・まあここら辺はどうなるか、全く未定の話

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2020年02月23日

塚本普也「野火」の感想というか。

Pop is dead.
・観ようと思いつつ、重そうなので避けていた作品
・映画の感想というより、日本を憂う話になってしまった。ただ、ここ数年私が感じていた「日本の右傾化」を簡単にまとめるとこうなる、という話でもある。
・しかし餓死者140万人ってどういうことだよ?さらに琉球民族を盾にして結果、原爆投下かよ、ミフネが自決して済む問題じゃないだろ、とあまりにも怒りが込み上げてきたので、長い文章になった。
・というわけで、Amazonにもリビューを書いたが、一部、加筆・修正した文章をここにも載せておく。

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 「プライベート・ライアン」前半の、ノルマンディー上陸作戦を描いた映像は素晴らしい物でした。しかし、今作ではそれ以上に「地を這う兵隊が無残に殺されてゆく姿」を描写しています。

 映画全体のプロットは水木しげるの「敗走記」や「総員玉砕せよ!」に似たものを感じます。
 しかしそれらの作品よりも強く感じるのが「大日本帝国陸軍における、人命の軽視」です。兵隊であるから、戦って死ぬのはやむを得ないとしても、一説では戦没者の60%(140万人)は戦闘でなく餓死・病死であったとされており、この数字を見るだけでも軍部(特に陸軍)が兵站(ロジスティクス)を無視して「とにかく兵隊を送りこめ。そこでそいつらが生きようが死のうが構ったこっちゃない」と無謀な戦略を展開していたことが分かります。

 言うなれば天皇陛下や国民に『良いところを見せよう』あるいは、海軍を『出し抜こう』といった上っ面だけの体面で100万人以上の死者を出した、ということです。

 そしてさらにその先には、沖縄の非戦闘員を盾にした、ただの「時間稼ぎ」が始まるわけです。歴史的に、沖縄の人たちは「琉球民族」であり、日本や中国から圧力を受けながら当時、日本に属していたわけですが、いわゆる「大和民族」ではない沖縄の方々を、戦争の「盾」にしたことは、大和民族のの恥ずべき汚点であり、私には、とてもではないけれど平気な顔で「大和民族は『美しい民族』だ」等と言えません。
 さらに戦後70年以上たっても沖縄にリスクを集中させている現状は好ましくないと考えます(これは倫理というより国際政治の問題ですが)

 もってのほかなのは、未だに何人もの政治家が「日本は単一民族の国だ(から美しい)」といった発言を繰り返している事です。「日本本土の楯となって犬死にした琉球民族の方々」、アイヌ、あるいは在日韓国朝鮮人や日本に帰化した人たちを「なかったこと」にしている。こういった他民族への侮辱は、無知であることだけで免罪されるのでしょうか?

 また、近年は日本の極右化が目立っています。日本のニュースでは「ヨーロッパのどこどこでは極右政権が支持を集めている」とは報じますが、安倍晋三が「右派のナショナリストである」という海外からの評価を伝えません。海外では、安倍晋三について「極右 ( Ultra Right )」とも表現されているようです。

 ざくっと言ってしまうと、彼らの考えていることは「今のままでは日本は『敗戦国』のままじゃないか」ということではないでしょうか。もっと極端に言えば「(国家神道を復活させ)もう一回、どこかと戦争をして勝てば『敗戦国』という汚名をすすぐことが出来る」という意識があるのではないでしょうか。

 しかし「敗戦国」というのはそれほど恥ずべきことでしょうか。日本は戦争には負けながらも見事に復興し、特に経済面では世界における存在感(プレゼンス)を大きく上げてきました。戦争に負けても、世界経済において優位に立てた、ということです。

 ただ、日本経済は金融・IT革命に乗り遅れたために90年代から失速しました。そして2000年代以降から台頭してきたのがナショナリズムです。なぜ、ナショナリズムが力を強めたのか?
 理由は「日本の経済的な優位性が弱まったことで『日本人であること』にすがるしかない人が増えたから」だと思います。一部メディアの嫌韓・嫌中への偏向もその影響だと考えます。他民族をdisrespectすることで、自国民を優位に見せようとする、実に下品で愚劣な考え方です。

 そんなふうにごまかすくらいなら、日本は未来永劫「敗戦国」で結構だ、と私個人は考えています。他国の人を罵倒することで、日本人であることを名誉に思うのは、幻想であり、それ以上にとても下賤な考え方だと思います。

 そうではなく正々堂々と「日本には○○があるから誇らしい」と言えるようになりましょうよ。しかもその「○○」は神社仏閣とか禅の思想とか謙譲の心とかいう「借り物」ではなく、あなた自身が関わっている仕事や、あるいはそれ以外の社会活動に根差しているべきだと考えます。
 そして、それができるようになれば、たとえ「敗戦国の国民」であろうが、誇りをもって生きられるでしょう。ましてや隣国の国民をディスる意味などなくなるでしょう。

 ものすごく長くなりましたが、戦争というのはいかに無益で残酷か、そして一部の人が抱いているであろう「敗戦国としての恥」について書かせていただきました。

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2020年02月03日

近況と映画「ヘアスプレー」が素晴らしかったこと

Pop is dead.
・もう2月である。鬱病は改善傾向にあるのか、朝は9時までには起きられるようになった。
・ただ、暇で暇で仕方ないので困る。起床後2時間程度はまともに固形物が食べられない(食べると吐く)というのも少し困る。プリンのようなものや、クッキー、ビスケットのようなもので栄養補給している状況
・夜はさすがに食べられるのだけれど、食欲は以前より確実に落ちた。

・また、1月に入って気力低下甚だしく、何かしようという気分になれない。寒いのも大いに影響あるのだろう。

・というわけで、Amazonプライムで映像作品を見まくっている。東京喰種、サイコパス、高い城の男それぞれ全シーズン見終わった。
・名作と知りながらまだ見ていなかった「地獄の黙示録」も見た。

・で、今日は久しぶりに明るい映画でも見ようと思い「ヘアスプレー」を見た。評価が高いのは知っていたが「魔法のヘアスプレーをかけると美少女になる、いけてない女子」とかそういうくだらない映画だと思っていた(日本でそういう超駄作映画があった気がする)
・ところがこれが違った。まず、ミュージカル映画だったこと、しかも優れた楽曲が多い。
・特にオープニング曲(ここで既に主人公の魅力が爆発している)主人公が恋に落ちた時の歌、母親を町に連れ出すときの歌、黒人青年が白人少女と駆け落ちするときの歌が私のお気に入り。それ以外にも佳曲が多いのでサントラ買うかなあ。
・歌やエンターテインメント性の質が高いだけでなく、ワシントン大行進(1963)の前年ということで黒人差別問題も扱っていて、メッセージ性も高い。
・あと、事前知識なしに見るのがおすすめ。最後のクレジットで僕は思わず爆笑してしまった。「G」から始まるあの映画へのオマージュだろうな。

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