2021年06月06日

オリンピック強行開催で想定されるリスク

Pop is dead.
 どうも強行開催するようなので「頭の体操」として今後の動向とそれに伴うリスクを列挙してみる。

■五輪競技会場内

A.ソーシャルディスタンスの確保=席の間引きについて

・IOCにとって、最大の強行開催理由は「金のため」だと考えられる。
・そのため「無観客試合」は行わない、もしくは相当限定的になるだろう(席が埋まっていない競技など)
・同じく「金のため」と考えた場合でも、やむを得ず席を間引くことになろう。
 しかしチケット払い戻し額を抑制するため「チケット単価の高い席」の間引きは最低限とし、単価の廉い席を中心に払い戻しを行うと考えられる。それによって「全体の観客数」が5,000人以内になるようつじつま合わせを行うだろう。
 つまり前方の席は「密」になり、後方になるほど「疎」になることが考えられる。よって前方の席ほどソーシャルディスタンスの確保が難しくなり、感染リスクが高まると考えられる。

B.席の間引きによって派生する問題

・土壇場になって席の間引きを行った場合、相当の混乱が予想される。

1.無効になったチケットは回収するのか?→実質的に不可能→無効になっているはずのチケットを持って入場しようとする客への対応は?
 恐らくQRコードで判別するのだろうが、現状のシステムで「席を間引いた場合の有効/無効判断」という機能は実装されているのか?
 されていなかった場合、問題外だが、システムで対応していても「無効チケット」を持って無理やり入ろうとする客は必ずいるだろう。その場合、入場ゲートは混乱し、ゲートまで長蛇の列(密)が出来ることは想像に難くない。これによって感染リスクが高まるだろう。

2.個人/法人からの訴訟リスクは?
 直前に席の間引きを行ったとこによって訴訟が提起される可能性も十分に想定される。
 特に宿泊施設などでは一気に売り上げが吹き飛ぶので、泣き寝入りするわけにもゆくまい。

3.反社会的組織の活動助長
 一方的に席を無効にされた観客が不正にチケットの譲渡を受ける(いわゆるダフ屋から買う)ケースも多発するだろう。
 さらに、偽造チケットの氾濫もかなりの確度で発生しうる。

C.スタッフ不足に伴う問題

・ボランティアを中心としたスタッフの辞退が相次ぐ中、ぎりぎりのスタッフ数で会場を運営することになろう。
・実際の入場者は5,000人だとしても、施設としては何万人も入れる規模なので、限られたスタッフで除菌するのは容易ではあるまい。
・特に手洗いや各種扉などすべてを十分に清潔に保つことは不可能ではないか?
・よって一部の手洗いや扉等々を封鎖することになろうが、その度合いによっては結果的に長い列(=密)が出来、感染リスクを高める結果になる。

D.観戦者層の問題

・そもそも今回パンデミック下でムリクリに開催されるオリンピックを見に行く層というのは、はっきり言ってしまうと「リスク回避の意識が低い人たち」中心になるだろう。
・そういった人たちが例えば手洗いに備え付けの消毒液等を適切に使用するのか、あるいは観戦時のマスク着用に応じるのか。そもそも「発声による応援禁止」を守らせることができるのか、甚だ疑問である。

・また外国からの渡航者も増加するため(政府は受け入れ断念を表明しているが、ゼロにはならないだろう)各地域の変異株が交わって「TOKYO変異株」がかなりの確率で生まれるだろう。

E.テロの可能性

・オリンピックはテロの格好の標的だが、今回は「テロに対して最も脆弱なオリンピック」になるだろう。
・海外から変異株を日本国内に送付し、国内のテロ組織メンバー(ワクチン接種済み)が会場内でまき散らすだけでいいのだから、こんなに楽な破壊工作はない。
・実行するのが単独のテロ組織の場合、犯行声明を出せば最小限のリスク・資源で組織としてのプレゼンスを高められるだろう。
・また「東京五輪を失敗させるため」の国家規模のテロであれば表向きは「オリンピック強行開催によるパンデミックである」という形に見せることも可能である。

■会場外・その他一般

A.パブリック・ビューイングの問題

・東京都の現状を見れば分かるはずの「ある場所を封鎖すれば、別の場所に人が集まる」という単純なことが理解されていない。
・今回は「日本国内で開催されているのにオリンピックを見に行けない」というフラストレーションによって、パブリックビューイングが盛んに行われ、通常の五輪開催時と比較しても相当多い人数が参加するだろう。
・自治体によるものについてはある程度コントロールできるとしても、各個別の私有体育館、道場などで開催されるものについてまでは目が回らないだろう。結果、いわゆるクラスターの発生は十分起こりうる。

B.スポーツバーの問題

・私がクラスター発生源として最も危惧しているのが「スポーツバーの闇営業」である。
・都内ではいわゆる「自粛疲れ」に加えて「飲食店での(昼夜を問わない)アルコール提供禁止」という、なんら科学的根拠を持たない愚策が施行されており、行政に対する不満が高まっている。
・当然ながら、陰でアルコールを提供する「闇営業店」もあるわけで、オリンピック時にスポーツバーの闇営業(アルコールの提供)がされた場合、これはクラスター発生源にならない方がおかしい。
・チケットを持っていたのに間引きで見に行けなくなった人や、普段なら自宅でテレビを見ているがフラストレーションがたまっている人、さらには単に危機回避能力のない人、そういった人が闇営業店に殺到することを考えると、非常に恐ろしい。

C.マスクをしない渡航者

・外出禁止が解かれた都市の目抜き通りを撮った報道写真を見ると、国によってはほぼ全員がノーマスクである(私が実際に見たのはニューヨークとロンドンの写真)
・もしかすると彼らはワクチンをすでに接種したのかもしれないが、外見からは判別できない。
・街頭や店舗で、マスクを着けろ着けないといった口論・トラブルが頻発するだろう。
・また、渡航者以外の在住外国人が差別対象となり「外国人お断り」と掲げる店が出るなどの可能性もある。

D.「オリンピック・ブランド」の失墜

・個人的にはどうでもいいし、高齢で長期的視点を持たなくていいIOC幹部にとっても興味のない話だろうが。
・今回の強行開催で「オリンピックの目的は金儲けだ」という事実が明白になった。
・それだけではなく、疾病の拡大やそれに伴う死亡者が発生することが容易に想像できる中での開催は「オリンピック(IOC)は、人の命よりも金を優先する」というメッセージに他ならない。
・これによって五輪という「ブランド」は既に失墜しつつあるのではないか?
・疾病拡大や死者急増が現実となった時に、それは確実なものになる。IOCが批判されるだけではなく、大手スポンサーに対するボイコットも広まるだろう。
・さらに来年は北京オリンピックである。現状の世界情勢から見て、それを支援するスポンサー企業が嫌悪の対象になることは目に見えている。
・中長期的に見れば国際的に事業を展開している大手スポンサーがオリンピックから徐々に手を引いてゆくだろうと予想される。なぜなら支援することにメリットがないから。それどころかデメリット、リスクしかない。
・組織幹部にはそういう視点がなく「今年、いくら報酬がもらえるか」しか考えていないのだろう。

E.自民党大敗による政局混乱と、日本の権威失墜

・個人的には今年の国政選挙で自民党は大きく議席を減らすと踏んでいる。主な定量的原因はコロナ対策の失敗(含、東京五輪による感染拡大)である。
・政権交代にまで至るかは不明だが、政局は混乱を極めるだろう。これがそもそも国益に沿わないのだが、自民党としてはさらに頭の痛いことがある。

・先述した通り、来年は中国・北京で冬季オリンピックが開催される予定である。
・今回の強行開催の理由として、IOCは「金のため」だろうが、政府自民党がこだわるのはそれ以上に「中国に敗北できない」という思いの方が強いのではなかろうか。
・東京五輪が中止となり、もしも北京オリンピックが成功裏に終わったらそれは「対中国における日本(自民党)の敗北」という事になる。当然選挙にも大いに影響するだろうし、何より日本会議のような支持母体からも厳しい突き上げがあるだろう。今まで自民を支持していた層も、一部はそれをきっかけに離脱してゆくだろう。

・一方、中国は「うまいことやる」のだろう。自国製ワクチンもあるし、いざとなれば情報隠蔽という手もある。北京冬季五輪は成功するのではないか。
・もし事前に「うまくやれない」と判断したなら「東京五輪があのような惨状に終わったため『こちらは人命を最優先して』開催を中止します」と言えば良い。どっちにしても中国に利するわけだ。
・もし開催の上失敗したとして、一定の非難を受けるだろうが「対日本」ということでは五分五分である。つまり政府自民党は既に「詰んでいる」と言っていい。

■結論

・5月初旬ごろをピークに、COV-ID19の感染拡大スピードは徐々に収まりつつある(感染は拡大しているが、拡大スピードは弱まっている)が、上記のような複数の理由により、東京オリンピックは間違いなく感染爆発のきっかけになるだろう。
・ワクチン接種も遅々として進まっておらず、このままでは医療崩壊が起き、多数の死者が出ることになる。
・そしてもしかしたら「日本において初めて、海外組織が大規模テロに成功した事例」になるのかもしれない。

・いずれにせよ、東京オリンピックは五輪史上に必ず名を残すだろう、負の歴史として。
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2021年06月04日

ヒステリック・グラマーのリュックには何が入っているのか?

Pop is dead.
 ブログに書こうと思いつつ、忘れていたことがある。
 忘れていたというか、書く暇がなかったのだ。
 いや、時間的なヒマは山ほどあったが、精神的なヒマがなかった、というべきだ。

 ところで本稿は1枚の写真と、それにまつわるクイズから始まる。

IMG_2713.jpg

 ざっと30年ほど前の、ヒステリック・グラマーのリュック。これだけの歳月が経つと「流行おくれ」というより「レトロフューチャー」な感じがする。
 で、クイズ。

■このリュックの中には何が入っているでしょうか?

 恐らく誰も正解を言い当てられないだろう。

 なのでいきなり正解を書くと「おむつ」です。たしか6着だったかな。
 え?介護?と思われるかもしれないけれど純然とした「自分用」です。50手前にしておむつを使う事になるとは……

 これには事情がありまして、要は大腸の内視鏡検査を受けたのです。

 健康診断で要精密検査となったので検査したんですが、まああんまり心配はなかった。
 というのは、胃カメラをのんだ経験があるからですね。あれはつらかった。喉に管突っ込まれて、ねえ。
 鼻から入れるタイプもあって、あれはかなり楽だけど、鼻や口から煙草程度の太さの管を入れられるっていうのはしんどいですよ。

 その点、お尻については。尾籠な話になるけれど毎日それなりの太さのものが出てくるわけでしょう。
 たしかに管を挿入するということは遡行にあたるものの、要は「穴の大きさ x 挿入する管の太さ」で考えた場合、問題はないだろうと。

 で、結論から言うと検査自体は別に痛くもなく、無事終了したわけです。技師の人が上級者だったことも大きかったのだろうと思う。


 ただ「検査前の準備」が大変なのです。胃カメラは前日夜絶食だけだが、大腸カメラの場合「検査の3日前」から食事制限が入る。つまり大腸内を空っぽにするために、お粥やうどんなんかばっかり食べることになる。食物繊維を多く含む野菜や、脂っこいものは御法度
 これはつらかった。たった3日ではあるが食道楽の私にとって「食べたいものが食べられない」ことは相当の苦痛であった。

 検査の前日には、とんかつ屋の店頭で食品サンプルを見ながら「あー、トンカツ食べたいなあ」と嘆息したほど。いわゆる飽食の時代だからこそ、食べたいものが食べられないってのが非常な事態であり、苦痛になるわけです。

 で、そういう食生活をしていると便はどんどん柔らかく、ま、要は下痢状になる。最終日なんか水便ですね。

 ところで、

 検査前の注意事項として看護師から「当日、下着は多めに用意して頂いた方が良いですよ」という親切な、しかし恐怖を感じる教唆があったのです。
 これ、ビビリますよね。検査前日から当日まで大量の下剤を飲むわけですよ。想像すると「常時、一触即発の事態」になるわけで、当然ながら「事故」すなわち「決壊」も想定される。
 そういう意味での「下着は多めに」なわけだ。

 あ、これヤバいな、と。

 てなわけで購入したわけです、おむつを。で、当日は着用の上、病院に行った。
 また結論から言うと、おむつは必要なかった。少なくとも私の場合、下剤をガブガブ飲んでも「排泄のタイミング」は自分でコントロールできた。

 最終的に検査も大過なく終わり、結局のところ私の強迫観念の強さだけが証明されたわけだが、まあ勉強にはなった。

 内視鏡検査ってのは胃にせよ大腸にせよ、それぞれに大変なものなのだなあ。
posted by LSTY | Comment(0) | 日記 | このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク