2009年06月29日

6/27・28日記(東京漫歩蕎麦)

Pop is dead.
Pop is dead.■6/27
doggylifeさんと散歩企画。東京を歩くというのは良い物なのです。
・いや、東京に限らずなんだけど、特に都市部に住んでいると、繁華街に行くのが当たり前になってくる。新宿、渋谷、池袋、といった町に電車で行き、買い物なり食事をして帰るという、それに慣れてしまうわけですね。そこを、歩いてみると、これは乙な物です。

・東京というのは生活感のない町で、利便性とかを除くと愛着を感じにくい町だと思うのですね。しかし、歩いてみる、小さな道に入ってみると、そこには当然ながら生活している人、あるいは生活していた人の足跡のような物があるわけです。こういう物に触れるというのは、つまり町に恋をする始まりだと思うわけです。

・というわけで東京散歩。神田から銀座・歌舞伎座までの行程。昼過ぎに神田を出、日本橋室町・砂場にて一杯。バチだとは思いつつ、あまりに暑いので一杯目はビール。つまみは枝豆と浅蜊。枝豆は、普通の枝豆だった。そして浅蜊がうまい。佃煮のようなものだが、佃煮のように色も味も濃くない。つまみになるほどの塩加減で、浅蜊の旨味がそのまま味わえる。これはビールではもったいないと思い、日本酒を頼む。この絶妙なアテをつまみながら蕎麦屋で一杯、というのはすなわち幸福というもの。
・この室町の砂場というのは、ロケーション、内装の清潔感を含めて総合評価すると、恐らく日本一の蕎麦屋と思われる。
・ビール一杯と日本酒五勺。

・さてそろそろと腰を上げ、一路銀座へ。一路と言いながらその実、横道に外れながらの道中。先日、嫁にもらったauto110、それに魚眼レンズを装着したHOLGA135、さらに携帯電話と三台のカメラを持ち替えながら写真散歩。
・やはり東京は稲荷が多い。特に日本橋周辺は、江戸期の地図で見ても有名な稲荷が多かったようである。
・東京駅から銀座に至り、歌舞伎座の幕見で幡随院長兵衛を見る。doggyさんの日記にも書いてあるが、幕見の行列の中に美人、というか可愛い子がいた。どれくらい可愛いかというと「俺が高校生だったら、家まで後をつけてるかも知れない」と思うほど。雰囲気から見て既婚者のようだったが、ああいう女の人を嫁に持つ男というのは、どういう感覚なのだろうと思った。「絵姿女房」という話があるが、つまりああいう感じなのだろう。
・さて肝心の芝居は立ち見。千秋楽なので仕方がないが、散歩の後さらに一時間半立ちっぱなしは辛い。
・しかし幡随院長兵衛は面白い。水野の殿様の、あの悪辣さはとても良い。風呂に入れと言って長兵衛を丸腰にさせたあと、槍で襲撃するなんていうあの卑怯さ。「悪いやつだなあ」とつぶやきながら、もうワクワクしてしまう。

・歌舞伎座を出て、迷いながら「梅の花」に辿り着いて一杯。相変わらず取り留めのない話。隣席のマダムがクラシックコンサート帰りなのか、モーツアルトがどーだブラームスがどーだ言っているのが可笑しい。
・doggyさんと別れた後、久しぶりに門仲BigHornへ。ここでも相変わらず、店主、常連さんと取り留めのない話。「なんか最近ウコンがブームですけど、あれどうなんですか?今日なんか『発酵ウコン』っていうの見ましたよ。ウンコが発酵してるんですよ!どうなんですかこれは」とかいう、低レベルな話をしながら飲む。
・その後、オーパに顔だけ出す。

■6/28
・朝から浅草へ。当初は吉原跡を歩くつもりだったが、結局行かず。六区あたりを歩く。六区の北側、場外のあたりは危険な雰囲気で、東京にもこういう場所がまだあるのか、と思う。つまりあの感じは大阪だ。社会のほころびのような町。高倉健の等身大看板があったり。

・雷門南、並木藪で蕎麦。この外観は「意地でも立ち退かねえ」という言葉をそのまま店にしたような。
・開店直後に入ったが店内は満員。昨日の酒も残っているので、酒は飲まずにせいろを一枚。つゆがうまい。かなりはっきりと分かる酸味がある。
・連日の蕎麦。さて蕎麦が好き、なんていうといかにもグルメっぽいが、所詮蕎麦は蕎麦であって、それだけの物なのだ。ただ、蕎麦の香りがして、つゆに嫌味がない蕎麦、こういう「当たり前の蕎麦」というのが、地方に行ってしまうとほとんどない。たとえば「県内一」と言われる店に行ってもダメなのです。

・その後、新宿や秋葉原に足を向けるが、どうも気が乗らず。秋葉原はいよいよ風俗街化している。秋葉原のフィギュアショップにて嫁へのささやかな土産を購入。ウルトラセブンのフィギュア、東大寺戒壇院四天王のフィギュアなど、惹かれる物もあったが買わず。

・昼過ぎから雨。夕刻、門前仲町のつまみ菜にて、めいろさんと飲む。三軒はしごして、数時間バラ珍のような雑談。処々にシティボーイズやどうでしょうの名言をちりばめながら。
・人間だって植物と同じで、ただ生まれて死んでゆくだけだ。そこに「生きてきた使命」とかいう物を感じちゃうのは、それは人間のおごりというものでしょう、とかいう話もした。「ダメ人」薦められる。キヨシローの死の話から、キヨシローの尻の話、オードリーは若林が良いとか。
・元カノのことをずいぶん引き摺っていたが大丈夫なのかと心配される。そこで、それはねえ、という説明をする。昨日、歌舞伎座で見た可愛い子というのが、実は元カノとそっくりだったんですよ、という話。髪の毛の質感までそっくりだった。しかしですねえ「ああ、元カノにそっくりだ」と思うだけで、また合いたいなあ、とか思うわけでもない。昔の感情が戻ってくるわけでもない。「ああ、僕は昔、ああいう女の子と付き合っていたんだ」と思うだけなのです。
・じゃあ嫁はどうなるんだという事になるけれど、嫁というのは別格なんですね。これは説明が難しいのだけれど。

・何やかやと話をし、ずいぶん酒を飲んだ。しかしどういうわけかいくらでも飲める。そしてさほど酔わない。
posted by LSTY | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
文中の自分の名前を踏んでみたら、はてなに飛んだのでびっくりしました。また、はてなで好きなこと書くかなーと思いましたよ。

帰ってから亀有ブラザーズを聴いて自分の細胞の一部であることを確認しました。

せいきまつをクビになった話もよかったでしょ?
あとは社長の話かな?
Posted by めいろ at 2009年07月01日 00:01
■めいろさん
 めいろさんの日記は、僕にとって「最も面白い日記」の一つだったんで、差し支えなければ復活して欲しいとは思いますね。
 社長の話は最高でした。三木聡に売れるくらいの挿話。
Posted by LSTY at 2009年07月01日 20:28
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