・名作と名高いわけだけど、あんまり見なくていいなあ。特撮の教材としては重要かも知れないが、単純にあまり面白くない。それこそ「市民ケーン」と同じような印象。
・ただ公開当時、1954年のの日本でこれを見た人は衝撃を受けたんだろうなあ。戦後10年経ってない中で、また東京がガレキと化す衝撃。その遠因は水爆実験(公開数ヶ月前に第5福竜丸の事故)であるという、このメッセージ・表現というのが当時どう受け止められたのだろうか。
・面白かったのは、最初、ゴジラが漁村を襲うのね。もう時代劇みたいな古くさい漁村。時代劇のセットに怪獣が出てくるっていう雰囲気が不思議だった。「大魔神」みたいな印象。
・この映画見て良かったのは「志村喬はダイコン」ってことが分かったことだろうか。黒澤の「生きる」見て、どうも怪しいなと思ってたんだけど、やっぱり大根だなこの人。それで成立してるからいいのかも知れないけど。でも「七人の侍」とかは良いじゃないですか。なんだろう、演技のパターンが極端に少ないって事だろうか。「羅生門」も考えてみれば一本調子な演技。重ねて言うが、それで成立してるのなら良い。笠智衆も同様。
・ちなみに「生きる」での彼の演技は高い評価を得ていますので、大根だと思ってるのは世界中で私一人かも知れません。
・あと、今も昔も特撮映画のヒロインの演技というのはひどい物だなあ、という事を実感した。終盤、ヒロインが出るシーンごとに「なんだこの女」と舌打ちしながら見る。
・あと面白かったこと。後年の「マッド・サイエンティスト」のモデルになっていそうな芹沢博士だけど、いわゆるマッドな人ではなく、真面目で真っ当な科学者なんです。いわば「マットー・サイエンティスト」であって、彼の葛藤の描かれ方はちょっと良い。
・それに志村喬が悪意なく、ゴジラ生け捕りを目指す感じとかも、後年の特撮物に見られる「善悪の完全分離」みたいなのと違ってて面白かった。
・しかし結論として「うーん、あんまり見るべき作品ではないかなあ」と思いつつ見終わる。最も見るべきシーンはオープニングだね。あのオープニングは良い。ただ、クレジットに主題曲とゴジラの咆哮が流れるだけなんだけど、あの感じは渋い。
・とか思いながら、偶然一緒に借りてきた「パトレイバー・アーリーデイズ」見始める。なんかアニメでも見るかと思って、じゃあ押井守で、ってことで借りてきてみた。
・まあまあ面白いなあ、と思って見ていると「4億5千万年の罠」これは正しく「ゴジラ」のパロディーなのだった。
・ここに至って「あー『ゴジラ』見といてよかった!」と痛感したのでありました、チャンチャン。
・松本人志「しんぼる」見る。圧倒的な駄作。エンディング曲(清水靖晃)だけが良い。
・「大日本人」が面白かっただけに残念。こんな映画に制作費を出す方も出す方だ。松本個人の金で作れよ、と思った。そうだね、そういう映画です。メジャーな資本が入って全国のシネマ・コンプレックスで上映されるような映画じゃない。
・「ちびっこ広告図案帳」の文庫版「昭和ちびっこ広告手帳」出た。今の30代から50代の懐古趣味者、あるいはレトロフューチャー好きはとりあえず買っておけ、という本。本当は「〜図案帳」の方が良いんだけど、どうしても高いので手が出ない、という人は、せめて「〜手帳」は買っておかなきゃ。
・当時の少年少女誌に掲載された広告の縮刷版なわけですが、まあこれは心躍る。カラー広告はもちろん、単色刷広告に怪しいものが多く、それも良い。当時少年誌に「田中角栄の自伝」の広告が出てたというのも面白かった。
・先述したように、もともと雑誌広告なので、予算が許すなら大判の「ちびっこ広告図案帳」の方が良い。
昭和ちびっこ広告手帳 東京オリンピックからアポロまで
昭和ちびっこ広告手帳2 大阪万博からアイドル黄金期まで
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・篠田麻里子に本気で惚れられる夢を見た。
・僕の中で、ジャンクフードと駄菓子は同列にあり、アミノ酸添加してある加工食品はジャンクフードなんだよ、たぶん。だから加工食品はスカラベくジャンクフードだ。いや、そこまでじゃないけど、それに近い感覚。
・「とにかく塩分高くしてアミノ酸添加すれば良い」というのはジャンクフード的な考え方なんですよ。卑しい下品な考え方なの。今は全ての食品メーカーがそっちに吸い込まれてる。安藤百福は「食足りて世は平らか」と言ったが、量的にって段階はもう終わってるわけです。
・しかし食品メーカーは未だに「いかにして量を売るか」に固執して、塩分アミノ酸添加合戦をやめない。不見識ってやつです。そういう下品な事はジャンクフード・駄菓子メーカーにさせておけば良いんです。いつか「アミノ酸入りのとろろ昆布」を見たときに、僕は食品業界の終焉を見たね。
・しかし、ジャンクフード、ファストフード(ラーメン屋含む)っていう塩分・アミノ酸万歳なマーケットはでかい。儲かる。だから日本の経営者はそっちの道を選ぶ。これは仕方ない。自国の食文化は死んでも、テメエの儲けがある方を選ぶのです。これは元々日本が貧しい国だから、仕方ない。
※注)食文化を殺すのは食品業界だという、分かってる人には当たり前のこと。商売というか資本主義はそういうものです。日本は資本主義の「次の段階」に進めるんだろうか、という不安がある。
・超右派の赤尾先生(社会科)が授業で生徒を扇動しまくるテレビドラマ「教師敏敏物語」
・音楽でも落語でも「押さえておくべき、すごいもの」があって、あとは無視してもいい。でも、無視してもいい物の中に「個人的にすごく好きなもの」があるんだな。