2012年03月16日

WATERMAN・カレンの思い出

Pop is dead.・僕が初めて自分で買った万年筆、ウォーターマンのカレンは、ペン先がすっかり削れてしまっている。
・青山の書斎館で買った万年筆である。本当はペリカンの限定品「スピリット・オブ・ガウディ」が欲しかったのだが、15万円という値段に怖じ気づき、結局、見た目がスマートなこれにした。
・今になってみればガウディを買っておけば良かったと思うが、致し方ない。

・その時僕は「死んでやる!」と思って居所をくらましていた。ノート1冊とこの万年筆、それにインクを購い、都内のホテルを転々としながらノートに「遺書」を書いていたのだ。
・細かいことは覚えていないが、たしか「遺書」はノート1冊分になった、ような気がする。カレンに同じくウォーターマンのブルーブラックを入れ、ノートにガシガシと思いを刻んでいた。まさに刻むように書いていたんじゃないかと思う。全てを諦めていたが、しかし一方で諦めきれない思いがあったので、それこそガシガシと書いていた。

・カレンをたまに使ってみると、どうも悪い癖が付いているな、と思う。あまりに乱暴に使ったので、ペン先が雑に削れ、あまり良い書き心地ではない。しかし、こいつが如何にしてこう削れたのか、など思い起こしてみると、それはそれで感慨深い物である。

・先日、万年筆店の店員に「万年筆は何本お持ちですか」と訊かれ「そんなに持ってないですよ、10本くらいです」と答えたら「すぐに100本ですよ」と言われた。
・いや、僕はそうならないし、なりたくない。本当に自分が愛せる万年筆を買い、それを育てたい。それに値する物が、100本もあるとは思えぬ。
・狭量な私は、100本もの万年筆を愛せない。
posted by LSTY | Comment(0) | TrackBack(0) | 文房具 | このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク
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