2012年03月20日

万年筆の吸入方式に関する話

Pop is dead.・高い万年筆になると「ボトルインクセット」みたいなのがあるけど、あれ要らないよな。モンブランのマイスタシュトュック149もインクがセットになってるんだけど、149買おうと思う人間なら、インクくらい持ってるだろう、と思う。

・モンブランと言えば、マイスターシュトュック・モーツァルトってモデルがあるのね。小型の万年筆で、モンブランの中ではかなり廉い。これ、廉いんで思わず騙されて買っちゃう人がいるんだろうけど、これは買っちゃダメね。
・というのも、これはカートリッジ専用なのですね。カートリッジ専用万年筆というのは子供のおもちゃですからね、余程用途を限定していない限り、買うべきではない。潰しが効かない、と言えばよろしいか。小さい万年筆ほど色々な用途が求められる。ポケットペンとして使う、玄関に常備して署名用にする、カバンに入れておいて旅先で使う、散歩に持ち歩く、色々な用途で使うのに、カートリッジでは面白みがないでしょう。
・なので小さな万年筆が欲しいのなら、ペリカンのM300の方が良かろう、と思いますね。僕は、M300より一回り大きいM205に、M400のペン先を付けて散歩用・旅行用にしています。カジュアルな外見に贅沢なペン先、なかなかよろしい。

・やはり万年筆の本格というのは吸入式であって、モンブランという正統なブランドの物を買うのであれば、吸入式でなければなるまい。コンバータ/カートリッジ両用式で妥協することも、ちょっと避けたい。
・とは言いながら、私が持っている唯一のモンブラン「作家シリーズ・フランツカフカ」は、一見するとコンバータに見えるような、実に中途半端な吸入式である。

・パイロットがカスタムヘリテイジ92Sという新商品を出して、1万円台でピストン吸入式・14Kペン先、しかもデザイン的にも悪くないのでこれはマアマアお勧めだとは思う(使ったことないけど)
・今まで廉くてデザインそこそこの吸入式と言えばペリカンのM200/M205あたりだったと思うんだけど、ペリカンのステンレスペン先って通販で買うとヒドいのに当たることが多い(私は2本買って2本とも最悪だった)その点、国産は廉くても通販でもハズレは少なかろう。

・ジャンク品ながら念願のシェーファー・スノーケルを入手したところで「万年筆欲しい病」はおさまっている。当面の関心事は、スノーケルをどこに修理に出そうか、ということ。
・万年筆って、実は良いデザインが少ない。欲しい!と思える物がない、いや、あるにはある、例えば僕は今、ペリカンのスーベレーンM800が欲しい。
・M800はペリカンのフラッグシップモデルM1000に継ぐラインで、M1000はデカ過ぎるのでM800くらいが日本人の手に馴染むだろう、と思って狙っている。
・ただ、M800も定番物は面白くない。たしかに、定番のカラー、スーベレーンの緑縞はきれいです。きれいだが、あまりに当たり前すぎる。青縞でもつまらない。ブルー・オー・ブルーも良いが、今ひとつ食指が動かない。
・唯一、昔の限定品「スピリッツ・オブ・ガウディ」は良いと思う、欲しいと思うが、市場に出ないし出ても30万円とかなら、さすがに買わない。10万円台半ばまでで中古のBかMが出たら買うかな。

・そんな中、これは良い!と思う万年筆を発見。デルタの少数民族シリーズ・イヌイット。このシリーズにはなかなか面白ものが多いが、イヌイットの鮮やかさはダントツ。白い軸に、緑と赤のラインが入って、華やかでありながら軽薄でない。ただこれは若い女性向きである。男が持っているとチンピラ風になるし、女でも30代以降だと、すこし派手すぎないか。
・デルタと言えばドルチェヴィータであるが、正直、あれは人気が出すぎて陳腐だ。「ああ、またドルチェヴィータね」と思ってしまう。いわゆる「ブランド品のつまらなさ」ってやつ。

・そうそう、デルタと言えば、デルタは「サイドレバー吸入式」というちょっと変わった吸入式を採用している。これが良い物なのかどうなのか、よく分からない。
・吸入式で一般的なのはピストン式。これは、分かりやすく言うと浣腸器ね、あ、SM趣味から浣腸器って書いちゃったけど、注射器でいいのか、ああいう機構でインクを吸い上げるのがピストン式。
・対してサイドレバー式はスポイト式ですね、ゴムサックでインクを吸い上げる。万年筆本体の中にゴムサックが内蔵されていて、それを万年筆側面に付いているレバーを使って押し、放してインクを吸い上げるという仕組みです。

・で、ここで疑問だ。ゴムサックを使った吸入機構って優れてるんだろうか?吸入可能な量が少なそうだし、だいいち、ゴムサックって劣化してダメになりやすいんじゃないの?さらに、レバーでゴムの一部ばかり圧迫することでそこが破れたりするんじゃないのかね。
・どうも、普通のピストン吸入式の方が機構として優れてるんじゃないかと思うんだよなあ。

・で、これは憶測なんですが、シェーファー独自の吸入方式であるスノーケル式やタッチダウン式というのも、ゴムサックを利用したスポイト式だと僕は考えてます。日本語で説明されているサイトが見つからなかったので、予想なんですが。
・サイドレバー式の場合、ゴムサックを押したり放したりはレバーで直接行う。対してシェーファーの場合は、空気圧を利用して間接的にゴムサックに圧力をかける方式なんじゃないかと思うのです。分解して観察すると、どうもそのようなのですね。
・英語では解説してあるところがあるけど、読解する気力がない。ある程度分かったら、自分で図を書いてアップします。

・ついでだから書いておくとデルタはボタン吸入式というのも作っていて、これはペンのお尻についたボタンを押したり放したりすることでインクを吸入するタイプ。これは多分、パイロットのコンバータCON70と同じ仕組みだと思う。基本的にピストン式と同じだと思うんだよなあ、一般的なピストン式がネジネジ式なのに対して、ピストンを直接押すのがボタン吸入式だと思う。
・でも、CON70はなんか弁が付いてるんだよな。なんで弁が付いてるのか、長いこと使ってるけど吸入機構について考えたことなかったので、よく分からない。これも、わかったら図解します。
posted by LSTY | Comment(4) | TrackBack(0) | 文房具 | このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
インドのメーカーはアンティークなやりかたを保持していてアイドロップ式(スポイト式)が多いですね。

インドってのは意外と万年筆メーカーが多いんです。ガンジーが使っていたというRatnamとかね。

明日会に行く予定なので、LSTYさんにもお土産に一本買っておきますよ。
Posted by 赤枕十庵 at 2012年03月21日 03:02
■赤枕十庵さん
 お気遣いありがとうございます。アイドロップ式が多いというのは、技術的な問題ではなくてですか?

 あのタイプというのはインクが漏れるんじゃないかという気がするんですよね。
 イメージですけど吸入式にしてもカートリッジにしても、インクタンクの中は外気圧よりも圧の低い状態にあって、それでインクが漏れにくいんじゃないかと思ってます。
 その点、アイドロップ式の場合は外気圧と同じになるのでインクが漏れやすい、だからインキ止式という機構が付加されたんじゃないかと思うんですが、違うんでしょうか。

 前時代的な機構だという認識があるんですよね、インク交換時に本体に加えてスポイトも洗う必要があるし。
 クラシックで面白いし、興味はもちろんあるんですが。

 しかしそういう点で、最も未来的な機構はやはりスノーケルですよ。あれを復活・進化させるべきだと思いますね、僕は。
Posted by LSTY at 2012年03月21日 10:32
まぁ、こればっかりは実際使ってみないとなんともいえないですね。Ratnamを買ったんで使ってみてくださいな。安いものなんで性能面であまり期待されても困るけど。ノベルティですね。

スノーケルはなんとなくエロティックな感じですな。なぜかと問われてもわからんのだけれど。
Posted by 赤枕十庵 at 2012年03月21日 18:56
■赤枕十庵さん
 どうもすいません。お会いできる機会がありますかね。またメールでも頂ければ。

 スノーケルにエロティシズムを感じるのであれば、それは「蝶のような吸入部」とか「汚れを拒否する姿勢」から来るのかな。よくわかりませんが。
Posted by LSTY at 2012年03月22日 10:03
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