
■12/5
・中村勘三郎死の報。
・関連tweet「勘三郎の印象は『臭い役者』。芝居が臭いというのではなく、体臭が匂ってくるような、汗と体温を感じる、なまめかしい生活感のある役者だった。そういう役者だからこそ、もっと年を重ねて枯れた演技も見せて欲しかったと思う。」
■12/8
・数年前から高血圧が指摘されていたのだけれど、いよいよ降圧剤を処方してもらおうと思って病院へ。田舎の病院はとにかく暇な老人で混んでいる。朝8時に診察を予約して、ようやく11時頃診察。アテレック5mg/日を処方される。
・待ち時間、小沢昭一「背中まるめて」を読む。
・昼食は「不味くはないが、接客担当がボンクラ女」という小さなイタリア料理店。いつもの通り不味くはないが、接客がダメ人間なのでどうも気分良く食事が出来ない。
・接客担当者というのは、とにかく客席に目を配らないといけない。空のグラス、物欲しそうな客、それをキャッチするのが仕事なのに、この店のダメ店員は客席を全く見ない。「すいませーーん!」と呼ばないと来ない。だったらテーブルに、ファミレスのピンポン置いとけ。
・料理は悪くないのに、フロア担当が馬鹿だと気分が悪い。結果、ワインを飲み過ぎる。後から考えると、その後の体調不良も、これがきっかけだったように思う。
■12/9
・外があまりに寒そうなので家を出ず。
・引き続き「背中まるめて」を眺め、Amazonを探していたら小沢昭一「日本の放浪芸」がDVD化されていたと知り、注文。
■12/12
・病気発症。飲み過ぎかと思ったがそれだけではない吐き気。
■12/13
・ひたすら吐いて寝る。
・玉子焼の入った「にゅうめん」を作る。腹具合の悪い時には、にゅうめん。ほとんどの人は「にゅうめん」なんて物を食べたことがないのではないと思う。「にゅうめん」と言うと、必ず変な顔をされる。
・しかしこんなに平和で穏やかで、病の折、自然に腹に入る食べ物はないと思う。うどんなんて比にならない。
■12/14
・引き続き体調不良。その上、昼食をあろうことかガストなんかで済ませてしまったがために腹具合は不調を極める。ああいうレトルト、インスタント食品は健康な身体をも壊すのだから、病気の時に食べてはいけない。そんなことアタリメの話なのだが、他に食べる場所がなかったのだ。
・帰路、車を運転していて何度か気を失いそうになる。
・ひどく頭が痛み、バファリンを定量の半分飲む。普段「頭が痛い」なんて事はないので、半分で十分効く。
・どういうわけだか私は「頭痛」「肩こり」「眼精疲労」なんてものと無縁で、ようやくここ数ヶ月で「眼精疲労」がたまにあるかな、という程度。肩こりなんて一度もない。そういう体質なので、ちょっと頭痛を感じると「お!脳コウソクで死ぬのか!?」と過度にビビってしまう。
・周囲は「頭痛くらい・・・」と取り合わないが、経験のない者からすれば、頭が痛いってのは、これは恐怖ですよ。
・そうめんが切れたので、嫁の実家にもらった「白石温麺」を温かくして食べる。何かというと短いそうめんであり、つまりにゅうめんと変わらず。
■12/15
・本復に至らず。しかし恐る恐る起きて不在者投票に行き、灯油や食品等を買う。
・なんとか出かけられそうなので、午後の予定を決める。昼食はにゅうめん。
・昼過ぎから小寝して夕刻より名古屋に向かい、快楽亭ブラック師匠月例の落語会。「猿後家」をヨイショ主眼で演じたもの。
・あと、私が知っている「猿後家(前の文枝の型)」では「まんまんちゃん」となっている部分が「のんのん様」になっていた。あれは誰の流れなんだろうか。
・猿後家は、江戸落語的な意地悪な人間描写を加えると、もっと際だってくる話かと思う。コンプレックスと、それ故にヨイショに弱い性格、そしてヨイショする側の魂胆。それに対する、お店の連中の目。こういった物を意地悪く描くと、もっとドロドロして面白かろう。
・気になったのは「転合やがな」を「てんごうやがな」と言っていた部分で、これは「てんごやがな」だろう。確かに「転合」は「てんごう」だが、言葉が連なって「転合やがな」になると「てんごやがな」と発音するのが正調と思われる。
・その後、知人と食事。伏見「きときと」にて。数年前に来た時にはもうちょっと気合いの入った店だったはずだが、細部に気の緩みが見え、期待はずれ。
・決して不味くはないが、悪く言えば「オシャレ居酒屋に毛が生えた和食店」といった印象。店の経営者側もそれを狙っているのかも知れない。1万円以内でそれなりの魚料理が食べられるカジュアルな和食店として存在意義はあると思うが、四十に近き身をもって臨むと、どうも物足りない。
・ビール頼むが、半分ほど飲んで残す。料理も残す。これは不味いからではなく、体調の所為であって店に申し訳ない。
・引き続き知人とバーで飲む。みかんのミモザと、あとはサラトガ・クーラー。お金を出してノンアルコールカクテルを飲んだのは初めて。
・隣席の客騒々し。机をバンバン叩きながら、なにやら絶叫している。ああいうバチな客はつまみ出すのがバーテンダーの仕事でもあると思うが、商売なので已むを得ないのか。田舎の店というのは、わがままを言って客を選べないのが悲しいところかと思う。
■12/16
・終日、知人を車で案内。こっちは車なので夜まで飲まず。昼もビールではなくウーロン茶で、普通に定食を食べる。こういう感覚は普段ない。まるで自分が井の頭ゴローになったようだ。ウォォン!俺は今、人間定食野郎だ!
・降圧剤(アテレック)の副作用だろう、引き続き頭が痛い。薬は朝1錠飲むのだが、昼前後から鼻が詰まった時のように頭が重くなり、それが夜まで続く。薬を変えてもらおうと思うが、一方では「これくらい体調が悪い方が健康で良い」とも言える。具合が悪いと、いつものような不摂生をしない。酒も気持ち控えるようになる。絶えず少ぅし病んでいたくらいが、長い目で見て健康に暮らせるのかも知れない。
・夕食時に少し飲み、家に帰ると自民党が過半数の当確を取るかどうか、という時間だった。安倍さんは嬉しい反面、心の中で「うわー、大衆は馬鹿ばっかりだなあ」と呆れていただろう。
・少し飲もうかと思ったが、タイミング良く眠気を感じたので、さっさと寝る。
中村勘三郎の早過ぎるご逝去は残念でなりません。他に観たい歌舞伎役者さんもいません。
総選挙の結果に暗澹たる気持ちしかなく、テレビもニュースも見たくも聞きたくもない気分です。
それより、LSTYさんのお体の具合が心配です。車の運転中も心配になります。
どうかご自愛ください。
こういう、何と言うことのない日記、価値のない記述に、意外と反応が頂けるのが不思議です。逆に「これはweb上にない記述だし、誰かの参考になるだろう」と思って書いたもの、例えば先日の「裏辻芝亭公民とは誰か?」なんて記事に対しては、期待ほど反応がなかったりします。
つまり「価値のある物」には、その価値以上のものはない、といったことなのかも知れません。抽象的な言い方ですが、たとえば国語辞典を調べて、その記述を文学的に楽しむ人というのはあまり居ないわけで、当然「感想」も持ち得ない。
なんとなく書いてある日記の方が、スキがあったりして第三者からは面白いのかも知れませんね。
私はずっと、どちらかというとアンチ勘三郎ではあったんですが、しかし惜しい、という気分です。