メンバーはテイトウワ、森俊彦、小日向歩。SP1200特有の、ビットレートの低いサンプリング音の粗さが特徴。これをテイ氏はハイファイに対して「ロウファイ」と呼び、もてはやしていましたが結局流行するまでには至りませんでした。
私の知る限りではSP1200名義でのリリース曲は一つだけ(sushi3003というコンピ盤に入ってるものだけ)ですが、各メンバーが「for SP1200」としてリリースした曲はいくつかあります。
最も分かりやすいのが一番右側の森俊彦のソロワークでしょうか。非常に地味なアルバムで、多分ぜんぜん売れなかったんだろうと思いますが、SP1200っぽい音とはなんぞや?ってのがよく現れています。普通にエレクトロのアルバムとして、佳作だと思います。
森俊彦はテイトウワのリミックスをいくつもやっていて、そっちについては傑作揃いです。ゲイシャガールズのリミックスもやってましたね。EP盤なんかで聴けます。
真ん中のはテイトウワが今田耕司をプロデュースした「KOJI1200」のアルバム。所詮お笑い企画と思われているようですが、実は僕はオリジナルのテイトウワ作品よりも好きだったりします。今田耕司の歌は、決してうまくはないんですが、声がとても良いように思います。あと、テイ氏オリジナルに比べて乱暴にor大胆にロウファイサウンドが取り入れられているので、ビットレートの低いサンプリング音が好きな人にはたまらないと思います。そんな人はほとんどいないわけですが。
で、この中で一番思い入れがあるのが一番左のSOAP「ふにゃちん天国」です。吉本のアイドルグループで、メンバーもかわいくない、さらにタイトルがこれですからね、もうどうしようもない。でも小日向歩参加の曲はどれも名曲揃い。特に「作詞:森浩美 作曲:小日向歩」の曲最高。どういうわけだか僕は「フツー。」を聴くと泣いてしまう。
なんというかこの、汚れ系アイドルっぽい、歌謡曲なんだけどどこかスサんでいて、うらぶれた感じ。そこに結構ちゃんとしたトラックが重なる感じ、こういうのが90年代半ばの渋谷の感じに重なるんだよなあ。それも、早朝5時くらいの渋谷。別に援助交際やってたりはしないんだけど、まあ普通の子なんだけど、でもスサんでる女の子っていうのはよくいるもので、そういう女の子の雰囲気をよく描いた曲だと思うのでした。
※このユニットの正式名称はSP1200 Productionsでした。タイトル修正しました。