
・車谷長吉「赤目四十八瀧心中未遂」、池波正太郎「殺しの四人」読了。
・恥ずかしながら僕は最近まで「赤目四十八瀧心中未遂」をミステリーか何かだと思っていた。
・しかし実はそうではなくて、いわゆる「私小説」でありました。無力感の漂う小説。「心中未遂」のくだりも非常に間が抜けている。でもこれは不思議に惹かれる小説。
・変な言い方ですが、「死にたくなった時に読む小説」だと思う。いや、死にたい時にこういう小説を読むともっと死にたくなるんじゃないか、とも思うのだけど。
・僕が以前「死んでやる!」と思っていた時、それを止めてくれたものの一つに村上龍の「ライン」という小説がある。この小説も、救いようが無く、何も起こらずに終わるのですが、あのダウナーな感じが当時の僕にはちょうど良かった。
・死にたいという感情は「このまま生きていても何も良いことがない」という考えから来るのですが、そこから「生きていたら何か良いことがあるさ」への転換は無理です。「何もないけど、とりあえず生きていよう」という諦めをつかむために、こういう小説はとても良い物なのではないか、と僕は思います。
・池波正太郎というのは随分ファンの多い作家だと思うのだけれど、文章が軽すぎて僕の好みではない。面白いことは面白いのだけど、何も残らないというか、読んだ後に何も感じない。
・とはいえ、その場限りのエンターテイメントとしては楽しめる。レンタルビデオ店で「仕掛人・藤枝梅安」のシリーズを何本か借りる。小林桂樹・田村高廣コンビのものと、渡辺謙・橋爪功コンビのものがあるのだけれど、後者が良い。
・その他、勝新太郎「新・座頭市物語」と北野武「TAKESHI'S」借りる。未見。
・怪しい家庭菜園はおおむね順調。ラディッシュまた食べる。週明けには苦瓜とミントを植えたい。
・5/5冷やし中華キムチ和え、5/6フェットチーネ挽肉ソース。
・自分用メモ:mixi日記2007/5/4
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