2017年12月22日

ナイロン100℃「ちょっと待って下さい」感想と記録および大航海時代2

Pop is dead.
Pop is dead.・ナイロン100℃「ちょっと待ってください」を見た。ケラ自身による解説にもある通り、過去の不条理コメディへのオマージュというか、パッチワークのような芝居。ナイロンの芝居は初見だが印象としては「シティボーイズ公演の、それほど面白くない部分が延々続く感じ」だろうか。

・白塗りの登場人物(特に白塗りの郵便配達・警官・老婆)、時間軸の混乱、虚実の交錯(嘘だと思われていたことが現実になり、虚と実が反転したりそれらの境界が曖昧になる)、社会運動や労働歌という、いかにもアングラを踏襲しましたという芝居で、正直あまりショッキングではなかった。しかしそれなりに面白かったので「可」というレベル
・ただ大道具や照明(プロジェクションマッピング)はさすがに現代であって、技術をうまく使っている。特に大道具は平面と立体と「立体に見えるように描かれた平面」を組み合わせ、この芝居のテーマである「虚と実の交錯」を表現した「だまし絵」調になっている。

・水上勉の芝居は見たことないんだけど、電柱というのは彼がよく使う道具らしい。そういえばシティボーイズの芝居にも出てきたな、電柱。シティボーイズ公演「ウルトラシオシオハイミナール」はアングラパロディだったし、「マンドラゴラの降る沼」にもそういう箇所があった。ケラ、宮沢章夫、三木聡、シティボーイズあたりの原体験としてあるんだろうなあ。下の方に、プロット(完全ネタバレ)を半分くらい記録しておいたので、どういう構造の芝居か知りたい方はどうぞ。

・ついでに三木聡のコメディに良く出てくるものメモ
だるま(だるまの親子、だるまの粉末、だるまの中からだるま)、てんぐ(天狗、てんぐの鼻)、チャーハン(チャーシュー泥棒、天狗)、りす(リス鍋、リスにボーリングの玉)、マゾヒスト(円谷遺書)、紙袋(トマト銀行、マカデのたばこ紙袋)、粉末

しんざきさんが薦めていたので大航海時代2をやってみる。シナリオはあるが必ずしもそれに沿わなくても良いゲーム(最終的にはシナリオに従わないとエンディングには至らないが)
・アル(交易商人)で一旦攻略し、カタリーナ(海賊)でもう一度やってみるが、カタリーナはそもそも海賊で国籍がないので「爵位」が上がらない。爵位が上がると物が廉く買えたり「名声」という経験値稼ぎも楽になるのだけど、それが上がらないとなると苦しい。最初はお金も全然ないのでひたすら国を回って交易でお金を貯める。通常は色々な貿易港に投資をするとその港が自分の国の同盟港になり、名声や爵位が上がるんだけど、国籍がないとそれもない。そうこう言いながらもクリア
・次にオットー(英国海軍)でやってみる。こっちは王様から爵位ももらえるし、わりとやりやすいが、冒頭から海賊や他国海軍と戦わないといけないので身軽さはない。しかもこのキャラクターでプレイする場合、ゲーム冒頭で落とし穴があるので恐い(最初、部下から言われた台詞に従わないとすぐにゲーム継続不可になる)あとこの人、海軍の軍人のくせに航海術が劣っていてなかなか成長しないのが難点

・このゲームの面白さは、やはりシナリオに沿わずに好き勝手できるところ(それだけに前述したオットー編冒頭の罠=シナリオに沿わないと死亡ってのは恐い)キャラクターによって求められる名声(交易、海賊、冒険という三つのうち一つ)は異なるものの、求められているものとは違う名声を高めても良い。エンディングを見たければ求められる名声を高める必要があるんだけど、そもそも「エンディングを見るためのゲームではない」というか、途中何やっても良いというのが面白さなんだろうと思う。ヨーロッパからゲームが始まって、そもそもアメリカに行くのかアフリカに行くのか、あるいはヨーロッパから出ないのというのも自由(個人的には北極海から日本に向かうのが好み)乗る船についても細かく選べるし、ゲームの進め方の選択肢は無限にあるような感じ。ただ、船に関しては日本でしか建造できない「鉄甲船xキャロネード砲」が最強だろうと思うから僕はそれだなあ、とか思うものの、基本全て自由
・冬の寒い時期にはゲームをする事が多いけど、ドラクエ、ファイナルファンタジー、ウィザードリイの次は大航海時代2かなあ。

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・以下「ちょっと待って下さい」前半のあらすじというかプロット。完全にネタバレだが、話の構造を記録しただけなので当然会話の面白さなどは伝わりません。当たり前。

・屋内(金持ちの家):金持ちの父が今まで何度もした話をまたしている。家族(母、兄、妹)にもう聞き飽きたろうと訊くが、家族は気を遣って何度でも聞きたいという。しかし父は、自分は何度も同じ話をするくせに、家族による話はもうウンザリだという。仕立屋の娘を誘拐したと間違い電話がかかってくるが父は身代金を用意する。母から身代金と出し忘れていた絵ハガキ(落ちていた)を託される使用人男

・屋外(金持ちの家の庭):身代金を指定場所に持ってゆく使用人と、彼を見送る金持ちの母。先程のは嘘の電話で、この町にはそもそも仕立屋などいない、と二人の会話。金持ちの退屈な生活の中で父親が日記に書くネタを提供するための茶番である。そして身代金として渡された封筒の中身は蒟蒻、実はこの家には金などなく借金まみれだと語られる。去る使用人と母
 入れ替わりに乞食の兄と妹。妹がこの家に嫁入るする事になったという。祝いにと、少ない持ち物の中から絵ハガキを二枚渡す兄。しかしどうも妹は金持ちの兄と面識すらない。妹に頼まれて兄の部屋を覗こうと電信柱に登る兄。窓から家に入る妹。そこに乞食の家族(父、母、祖母)が家財道具の入ったリヤカーを引いて登場。庭に家財道具を広げる。兄には電信柱の上から葬儀屋が見える。葬儀屋の中に棺が入ってゆく。死ぬと魂の分だけ体が軽くなるという話。どれだけ軽くなるか。28kg(21kg?)と聞いて首をくくろうとする祖母。
 そこに使用人男登場。誘拐犯の時計が狂っていて(明日の時間を指していた)結局仕立屋の娘は殺された。さっき葬儀屋に入っていた棺がそれだった。郵便配達員が登場。乞食の妹から家族宛の絵ハガキを配達しにくる。彼女は金持ちの家に嫁いで幸せにやっていると書いているが、実は不幸せであることも匂わせる内容。

・屋内:乞食の妹が入ってくる。金持ちの家族と兄の婚約者。金持ちの兄が登場し、婚約者とままごとを始めるが、そこに乞食の妹が乱入し、実の嫁は自分であるというように振る舞う。婚約者が怒って去り、ままごとは終わるが乞食の妹は兄と結婚している事になって話が進む。ままごとは終わったのでそこに残ったのは現実である。結局金持ちの父が乞食の妹と結婚することになり、金持ちの母と兄は家を去ることになる。母は既に列車の切符まで買ったという。そこに絵ハガキの内容を知った使用人男が慌てて帰ってくる。母は窓から去って行く。

・屋外:乞食の家族と金持ちの母。絵ハガキは母が去るところで終わる。今、家の中で乞食の妹がそれを書いている。金持ちの母が去るのを乞食の家族は引き留めない。乞食の父親は鉄鎧を着ている。脱ぐためには鍵が必要だが、鍵が行方不明で脱げない。乞食の祖母が死ぬ。祖母が飲んだお茶に母がトリカブトを入れたのかどうか、あるいは母は砂糖とトリカブトを知らずに間違えたのか、あるいはトリカブトなど関係なく死んだのかは不明。郵便配達は身代金の入った封筒を手に入れ、中を見て喜んで帰ってゆく。

・Interval

・屋外:数ヶ月か数年後。乞食の父親が外で食事をしている。金持ちの家に住むようになったが、高級な料理が口に合わないので拾ってきた「いかの塩辛」を食べている。金持ちの妹も食べてみるが、乾ききっているので噛み切れない。鉄鎧は依然として脱げず、父親は中世の勇者になったつもりでいる。乞食の父親は金持ちの妹を口説くがうまくいかない。
・ここまで書いて力尽きた。あと、金持ちの家のソファにできた染みというのが特に後半にいたって結構重要なんだけど、上記には書いてません。記憶の上書き、新しいもの、濃いもの、強いものによって過去が上書きされてゆくという意味だろう。
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