・美術館に行く機会があり、ダリの絵を見てきた。ダリの絵を見に行ったわけではなく、ほかの目的で行ったら偶然あった。
・思えば、ダリの絵の現物を見るのは初めてかもしれない。
・何人かの「人物らしきもの」が描かれているんだけど、離れて見るとすごく描きこんであるように見える。しかし、近くに寄ってみると「すごくシンプルな線の集合」なんですな、これが。
・「えー?」と思ってしばらく、寄ったり離れたりして見入ってしまった。近くで見るとほんと「草書」みたいな線で構成されてるんだけど、しかしちょっと離れるだけで、すごく立体的で精密な、一部のスキもない西洋画になる。あれ、衝撃だった。
・ダリというと「変な絵を描く人」くらいの認識だったけど、あんな超絶技巧の人だったのか。というかあんな線、どういう訓練をどれだけ積めば引けるんだろう、天才ってそういうものなのかなあ。いや久しぶりに絵を見て興奮した。
・で、帰ってきてWebでその絵を検索して見てみたわけですよ。それが、全然ダメなのね。あの立体感や筆致なんかが全く分からない。やっぱりこういう絵は現物見ないとだなあ。
・そういえば、と以前トーハクで見た岸駒「虎に波図屏風」を思い出した。あっちは逆で、普通の日本画のように見えて、近くに寄るとものすごく複雑な線が無数に絡み合ってるというような、これもまた奇妙な作品だった。
・で、ダリの絵。線で構成されている人、という点では、A Tribe Called Quest のあのキャラクター、なんて言うんですかね、緑と赤の線でできた人を想起した。
いやそれはどうでもいい話です。僕も買わないと思うし。
そんなことより抵抗しろよ、と思いました。