・さっきまで、足蹴にされ、それでも執拗に腹にキックを入れ続けられているような気分で、でも自分では何ともしようのないような、ただ永遠に蹴り続けられなければいけないし、それはそれで仕方ないのだろうか、というプライドも何もない、今までの人生で味わったことのない気分の中にいた。
・そういう、人生の底の、さらに底の抜けた奥深くに居たのだけれど、なんか蜘蛛の糸につかまってするすると地上に上がってきたような気分がする。
・一日のうちに、ここまで激しい気分の沈み浮きを経験することなど、そうはないだろうと思う。
・今、すごく救われた気持ちであると同時に、疲労困憊している。釣りあげられた深海魚がすぐに死んでしまう理由が分かる。心にかかる水圧が急変すると、心だけではなく、からだに来る。