2019年08月25日

初心者にお薦めするアナログシンセサイザー5選

Pop is dead.
・まず前提として、僕はオジサンなのでPCで音楽はやりません。ハードウェア・シンセサイザーに対する偏愛を持っているタイプのひとです。
・だから、PCで音楽をやるという人の場合、それこそArturiaのMiniLabとか優れた商品がありますので、そちらもご参考にどうぞ。

・ちなみにPCで音楽やるとしたらここらへんがおすすめでしょうかね。


・ただし!

・やはり私は「シンセサイザーの基礎」というのは実機を触って学ぶのが王道だと思っています。具体的には「操作できるすべてのつまみやスイッチが触れる状態」のものをいじることで、具体的かつ実感的にシンセサイザーの仕組みや特性が分かる。
・で、その際に「いわゆるデジタルシンセサイザー」は鬼門です。これは物によりますので、もっと具体的に言うと「ボタンの数が少なくて、何かいろいろ表示されるディスプレイが付いているもの」は結構危険です(理由は長くなるので割愛します)
・もちろん、ただ音を出したいだけならデジタルでも大いに結構なのですが「音を作りたい」と考えた場合にはアナログシンセサイザーが適していると思います。デジタルシンセは飽くまでも「既存の音のニュアンスを変える」といった機械です。

・で、早速ですがアナログシンセサイザーおすすめの5台

1.Roland SH-01(+KB-25m) ※やすければ買い!
 これ、いまAmazonで値段を確認すると6万円を超えていたのでびっくりしました。
 そんなにお金を使うようなシンセサイザーではありません(笑)品薄なの?
 新古品などで4万円を切っていれば買ってよいシンセだと思います。3万円台ならありでしょう。
 ※あとSH-01だけではキーボードが付きませんので、KB-25mとセットで買うか、既にキーボードを持っていたらそちらをつなげてください。

 このシンセの最大の長所は、とにかく単純であること。VCO(発振器)も一つしかついていないし、つまみの並び方も非常に適切で、1時間も触ればほとんど完全にマスターできるほどです。VCOの数が多くなると、多彩な音が出せる分、操作が複雑で難しくなる。その点、1VCOというのは利点なのです。
 一般的には高いものほどVCOの数が多くなります。代表的なものが2VCOで、二つの波形を混ぜて使うものですね。3VCOってのもあったかな?しかし、高ければいいというものではない。まず単純なもので原理原則を知った上でなければ2VCOとかいきなり触ってもチンプンカンプンなだけなのですね。(※1)
 私自身、こいつのオリジナルの姉妹機に当たるMC-202という機械でアナログシンセの基礎を学びました。
 しかもこの新型は4音まで出るので和音演奏が可能なんですね(復刻前のオリジナルは1音のみ=モノフォニック)
 さらにCV/GATEという出力がついているので、他のアンティークなシンセサイザーにもつなげられる。偉い!ただあまりにも高い!



あ、こんなクローン機もあるね。アリだけどモノフォニックでこの値段(4万円台)ちょっと躊躇するかなあ。「なくはない」というレベルだ。

これは余談(※1:デジタルシンセサイザーであるFM音源についても廉いものは4オペレーション、高いものは6オペレーションという、まあ計算がどれだけ複雑かってのがあるのですが、初心者が6オペ選ぶと死ぬでしょう、多分。僕は高校生の頃4オペレーションを徹底的にいじり倒して『FM音源ってのは掛け算と足し算の音楽なんだな」と分かりました。6オペなんか使ってたら、気付かないよそんなことには!)


2.Behringer Model D ※6万出すならって話だよ!
 SH-01のあまりの高額ぶりにあきれ返ったので、そんな大金出すならこっち買った方が絶対に良いだろ、ふざけんじゃね!という理由で紹介します(というか6万という予算になると、他にも選択肢が多々ございますので、そこは各自お調べいただければと思います)
 どんな機材でも復刻し、さらに破格の値段で発売してくれる救世主、ベリンガー社の製品でございます。
 これは、アナログシンセ界最大の名器の一台と言っても良い Moog社 MiniMoog の復刻版ということになっております(正式にライセンスを得ているのかは知りませんが)
 まあ古今東西、ありとあらゆるキーボーディストが使ってると言っても過言ではないほどの機械の復刻版なので「良いもの」であることは確実です。個人的には、ジャズとかアコースティックな音楽にも比較的合わせやすい印象を持っていて、万能シンセですよこいつは。
 酷ではありますが、同じ価格帯としてSH-01と性能を比べると、ヘッツァーとヤークトティーガーくらい違う、と言って良いでしょう(誰にも分からない戦車比較)

 ただ、実は私、これについては入手したばかりで細かくは説明できませんすいません。あ、このシンセは1音しか出ませんので、和音演奏が必須であればSH-01の方が良いと思います。
 あとこいつも別途キーボードが必要です。私はCV/GATE端子が使いたかったので、Arturia の Keystep というのを買いましたが、、MIDIも付いているのでキーボードは特に問わないと思います。
 で、Model D + Keystep で62,000円ですよ!上述したSH01は63,000円ですよ!4音ポリにこだわらなかければ、断然こっちでしょ、奥さん!
 


3.Arturia MicroBrute ※はいこれ本命。これ買っとけ。
 書き始め、SH-01押しで行こうかと思ったんですが法外な高さにうろたえて脱線してしまいました。今はもう「こうなったらMicro Brute一択だな」という気持ちで一杯でございます。
 今、Amazonを見てると、多少ばらつきがありますが3万円前後で購入が可能です。
 このシンセも1音のみの発生(モノフォニック)、ただこいつ、実はかなり多彩な音が出ます。メタライザーとウルトラウェーブとか、なんだかよく分からないつまみがあって、ディストーションギターみたいなギュインギュインした音も出ます。で、機能というか出る音の幅が豊富な割には操作は結構簡単です。マニュアルは失くしたけど、マニュアルなんかなくても全然動かせます。
 あと、パッチング(右上の穴にケーブルを差し込んで音を変化させる)が出来るのも、ちょっと面白いですな。私は全然活用できてませんが。
 当然のようにCV/GATE入出力端子も付いてるし、入門機としても拡張性を考えても、良いですよこいつは小さいし(その割に、鉄板使ってるから妙に重いのな)



4.YAMAHA reface CS ※あ、これ忘れてた。
 YAMAHAが嫌いなので無意識的に忘れていた。これはかつてのCS-01の復刻ということでしょうね。ごめん、全然興味なくて触ってないから何も言えない。でも5万出すならMicroBruteの勝利でしょう。
 ただ、こいつの強みは同時に8音発生可能という部分ですね。実用性という点においては非常に優れている。ライブとかで両手で弾くならこれでしょうねえ。というかライブで使えてこの価格帯ってことになると、これ一択になるんじゃないか(あとは Rorand の Boutique シリーズのJP-08とかでしょうかねえ。でもBoutiqueのヴィンテージ復刻は4音発生なんですね。コードとメロディ両方弾きたいなら、YAMAHA一択みたいになるのかなあ )
 あと付け加えると、これは純粋なアナログ音源ではありません(アナログ音をコンピュータでシミュレートするタイプです)が、まあそんなことは気にする必要ありません、そういうことを気にするのは一部の頭のオカシイ人たちだけなので。



5.KORG MS-20 minireface CS ※やばい、伏兵発見した!
 あー、これ完全に忘れてたわ。買おう買おうと思ってずっと買えずにいるシンセ。今見たら4万円台ですね。これは射程に入るな。
 一目見て分かるように。右っ側の穴にケーブルというケーブルを突っ込んで、まあいわば「自分オリジナルのシンセサイザーを、この機械の中に作ってしまう」というような、マニアックなやつです。
 これもごめん、普通に無条件に買う気でいたために店頭試奏すらしていない。だから印象も何も書けない。しかし「機械がとにかく好き!」という人にとって、こいつはたまらんでしょうな。
 ただ、複雑な分「線のつなぎ方が間違ってて音が出ない」なんてことはザラにあると思います。そこも楽しみなんですが、手軽に鳴らすならMiniBrute、マニアックにはまりたい方にはMS-20 mini ということでいかがでしょうか?



 結論としては、手軽に使えてしかし過激な音源も出る Arturia MicroBrute が個人的にはお薦め。プラス1万円出して機械の世界にどっぷりはまりたい人にはMS-20 でしょうね。あ、最近はモジュラーシンセ(自分でユニットを組み立ててオリジナルのシンセを作る)が流行ってるんで、将来そっちもやってみたい、という人だったら MS-20 一択ではないでしょうか。
 あと実用性というか、宅録ではなくてバンドのライブとかで使うんだったら reface CS が無難だと思います(シンセベースとして使うのならともかく。バンドで短音というのはなかなか使いづらいと思いますので)
 あ、私ですか?私自身であれば、次に買うならMS-20 mini ですね。

 書き始め、SH-01一押しで行くつもりが完全に脱線した。その上、紹介した5台中、2台はろくに試奏もしてないので申し訳ない。面目ないが、各自、YouTube等でデモ動画をご覧くだされ。
 あと個人的にYAMAHA好きじゃないんだけど、やっぱり実用性ではYAMAHA強いなあ、負けた気がするなあ。
 今回はすみませんでした、ではさようなら。

------
 そういえばこんなのもあるよー。記事まとめちゃってから書くのもナンだけど、これ廉いし良いね。電池駆動するのもいいな。

posted by LSTY | Comment(0) | 機械や機材 | このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]