2019年11月19日

「趣味を仕事に」という言葉について、僕が思うこと

Pop is dead.
・「趣味を仕事に」よく聞くフレーズ。僕の子供の頃の夢は「おもちゃ屋さんかお菓子屋さん」だった。
・しかし私が大学生だったころは「就職氷河期」と言われた時代で、とにかく内定の出た職場に就職するのがやっとのこと
・とはいえ、今の職場に入るにあたっては「大学の友達に『うける』職場に就職しよう」という気持ちも強かった。「え、お前、XXに就職するの!(笑)」というリアクション欲しさに決めたような気もする。

・で、なんか結果的に子供の頃の夢にまあ近いような業界に身を置くことになった訳です。
・しかしね「趣味」を「商売」にすると、その「趣味」のことが嫌いになる、ということがよく分かった。

・つまりその好きなことの裏側、汚い部分が分かってしまうので、嫌になってくるんだよね。しかも、組織に属する限り、その「汚い部分」を取り除く事は非常に難しい。労務に関する問題なら労働組合が解決に向けて動いてくれよう。しかし、商売の根幹にある「汚い部分」これは違法/順法にかかわらず、忌むべき現実を受け容れ続けなければいけない。

・だから「憧れの業界」に入ってみたら、中身は散々だったという事が、よくあると思う。

・あとは個人事業主として起業する方法もあるんだけど、ここにはリスクが付いてくる。だいたい、新卒で起業できるような資金力と企画力、プレゼンテーション能力の高い人間など、日本に何人いるか。

・でまあ、29歳まで趣味とは関係ない仕事で働いて蓄財して「趣味を仕事に」してみよう。多分、失敗するよ。「趣味は仕事じゃないから趣味なんだ」ってことを思い知ると思う。

・で、僕は今「シンセサイザーと(北インドっぽい)カレーの店」をやろうとしてる。シンセも趣味だ。料理もまあ、趣味というか好きだ。でもいわゆる「カレーマニア」みたいな感じではなく、カレーについて実はそんなに思い入れはない。

・じゃあ「カレー屋」を何で選んだのかというと「骨法さえ知れば、ごく短時間でそこそこうまいカレーが作れる」と知ってしまったからですね。

・一方シンセの方は、これは割と純粋に趣味の範囲ですよ。でも、自分がシンセを使って何か演奏するとかね、そういうんじゃなくて「シンセサイザーのユーザーを拡げたい」んだよね。だから、カレーを食べに来たお客さんが、一定時間、シンセを好きにいじれるようなスペースを作りたいなあ、と思った。
・自分で演奏するわけじゃないから、嫌いにもならない。今まで通り、シンセ好きの不器用なおじさんで居られる。

・ちょっと蛇足だけど、僕が作るカレーは「手抜き」ですが、うまいです。そして「化学調味料」無添加です。そこは守る。味の素が日本人の味覚を破壊した、という感情があるので(ただこれは、ただの感情であり、感傷だ。事実を裏付けるデータなど持ち合わせていない)

・で、まあシンセはねえ、触ったことない人に触って欲しい。アナログシンセなんか、マニュアル読まずに大体の感じでいじれるから。で、シンセっていうのは僕の商売においては「付加価値」に過ぎないので、事業の根幹には触れない。なので、趣味のままで居続けてくれよう。

・そんなこんなで「趣味を仕事に」と考えている人は逆に「仕事にしてしまったら、趣味が苦痛になりはしまいか?」という事を一度、考えてみた方が良いと思います(当然その前に「この趣味を仕事にしただけでオマンマが食えるだけの稼ぎができるのか」って検証が大前提ですよ)

posted by LSTY | Comment(0) | 日記 | このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク
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