2020年06月17日

カーシェアは自動車メーカーにとって本当に「脅威」なのか?

Pop is dead.
 結論としては、なんで「脅威じゃなくて、絶好の機会・チャンス」って考えられないのかなあ?
 だからクルマ業界はダメなんだよなあ、と。

 東京に来て以来、友人に教えてもらったエニカというカーシェアサービスをたびたび使っている。これは、C to C のカーシェアマッチングサービスですね。Timesカーシェアなんかとは違う。
 何が違うって、借りられる車種の幅が広い、ということ。
 さらに「価格」24時間借りて、まあ6,000~10,000円というところ。ポルシェなんかでも1万円代前半くらいで借りられる。

 レンタカーの場合、取り扱われる車は「需要の高い車」になる。最大公約数的な車、すなわち「ツマラナイ車」と言って良いだろう。
 確かに、輸入車を中心とした「ちょっと珍しい車」を扱う専門業者もある。しかし(車両価格に関わらず)国産車より料金がかなり高くなってしまうし、場所が限られているので利用しにくい。

 というわけで、僕はエニカを通じて、個人のオーナーから車を何回か借りた。

 最初は乗り慣れた車を貸してもらって、前回は「自分では買わないけどド定番のかっこいい車」アルファロメオの赤に乗ってみた。

 で、今回はホンダのS660に乗ってるのね。

 しかしこれはエニカを通じてではなく、ホンダの正規ディーラーからの「レンタカー」なのである。というのも、こういうマニアックな車の乗り手ってのは大概マニュアル・トランスミッションを選ぶのね。だからエニカで適当なS660が見つからなかった。なのでレンタカーという事になった。

 で、24時間いくらだと思いますか?保険込みで22,000円だよ!たっけーなおい!これ多分「見込まれるレンタル回数」と「新車と新古車の価格差」なんかから計算で割り出された金額だと思う。で、恐らく前者がかなり少なく見込まれるために単価が高くなるんじゃないのかなあ。

 で、あまりに高いので車両を借りに行った営業所で「カーシェアなんかと比べると、高いですねえ」と言ってやった(嫌な客!)
 担当者「まあ、こういう珍しい車だと、どうしても高くなってしまいますね」
 私「だからこそ、料金を安くして『乗ってみてもらい、魅力を実感させるべき』なんじゃないですか」(超嫌な客!)
 担当者(ニヤニヤしながら沈黙)

 まあ借りたわけですけどね、文句を言い乍ら。

 で、その時に感じたのが「S660みたいなニッチな車に関しても、レンタカーで『利益を重視』してるなんて、ホンダもビンボー臭ぇなあ」ということですよ。だって正規ディーラーだよ?最終的かつ最重要なのは「車を販売して利益を出す事」でしょう。
 そのためなら、レンタカーなんて「試乗の延長線上」にあるもので、見込み顧客に24時間も試乗してもらえるなんて、無料でもいいだろ、と個人的には思う。ただそれだとモラル・ハザードって問題があるので形式的に「保険料込みで5,000円」とかいう、極端に言えば「学生でも借りられるような価格設定」にするべきだろう。
 1回試乗し、気に入ったら何度も試乗して気に入ったら「購買欲/所有欲」が生まれる。AIDMAだったっけ?そういうマーケティングの手法を理解していない。だからダメなんだよ。

 この価格設定が、例えばニッポンレンタカーなら分かるよ。「めったに借り手がいないんで、高くなっちゃうんです」それは分かる。でも、S660を作っているホンダが、そういう理屈でこんな価格設定にしているってのは「メーカーとしての思想の欠如」によるものでしょう。言い換えれば「戦略なき経営」による、誤った判断だよ。

 で、最初の話に戻るんだけど「10年後・20年後における自動車販売台数を下支えするのは、エニカの様な『C to C のカーシェア』」なんだろうな、と思うわけです。僕の様な好事家からすれば、いろいろ変な車に乗ってみて、本当に欲しい車に出会い、強い購買欲を持つ、という可能性が高まる。

 もちろん、カーシェアの普及によって自動車の絶対的な販売台数は減るよ。でもその代わり「生産車種を絞り込んで利益を確保する」事が可能になる。つまりカーシェアでもレンタカーでもいいから最大公約数の車だけ作ればいいんだよ。そういった効率化で、利益額を確保すればいい。
 そういうことを考えた場合、輸入車を含めた幅広い選択肢を持ったカーシェア事業、というかその事業主が持っているデータというのは、とても貴重であり、将来の自動車産業にとって有益なものではあるまいか?

 まあ、各社とも日本ではなく北米にばかり目を向けているので、無駄な提言なのかも知れないが(言い換えれば、日本でも基本的には北米での売れ筋だけ作って国内にも供給し、あとは「自動車文化」を絶やさないために重要な車を赤字覚悟で作れば?ってことです)

 実際、僕はホンダのS660って「醜悪なデザインの、ガキのおもちゃ」だと思っていたけど、乗ってみると意外と愛おしく思えましたよ。エクステリアの致命的な悪趣味さが改善されれば、かなり魅力的だとすら思った。
 「長時間にわたって試乗させる」というのは、多くの場合、メーカーにとって良い結果をもたらすと思うのだが。
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