
・しかし感じたのは、人によって物を食べる時の作法には違いがある物だ、ということ。
・僕は蕎麦を食べる時に酒を飲まない。酒はゆっくり飲みたいけれど、ゆっくりしていては蕎麦がのびる。
・板わさ、鴨焼き、玉子焼き等をつまみに2合か3合呑んで、最後にせいろ1枚、というのが僕の作法である。付け加えれば蕎麦屋でビールはあまり飲まない。
・しかし温かい蕎麦をすすりながら燗酒、というのも良さそうではある。
・しかしそんなことより鴨南が食べたい。
・やはり冬になると鴨が食べたくなる。
・そういえば先日は嫁が鴨肉を買ってきて、自宅で鴨せいろにしたのだけれど、実にうまかった。
・この時季は週に1回くらい鴨を食べたいくらいの気分。
・その他、この時季に食べたい物。
・厚揚げ、雑煮など餅入りの煮物・蒸し物、白菜の漬け物、おでんの大根、馬肉、猪肉。
・冬に聴きたい落語というのも決まっている。
・馬生師匠の「鰍沢」、圓生師匠の「宗悦殺し」、志ん朝師匠の「二番煎じ」、枝雀師匠の「池田の猪買い」。
・そういえば「二番煎じ」にも「池田の猪買い」にも猪肉が出てくる。
・正月には米朝師匠の「けんげしゃ茶屋」が良い。
・食べ物の話に戻るけれど、この時期、人に贈りたい食べ物があった。
・信州、八幡屋礒五郎の「七味とうからし ゆず入り」であります。食べ物というか調味料だけれど。
・礒五郎と言えば多くの人は定番の七味(中辛)を買うのだろうけれど、この柚子入りは捨てがたい。冬場、普段の焼き物、煮物、味噌汁にかけると実に情緒を感じる香り。
・そして何より鍋に合う。蕎麦に合うのが中辛、鍋に合うのが柚子入り。そういえば今週末の連休には知人と鍋の予定がある。たしか冷蔵庫に柚子入りの在庫が一瓶あったので、持参しようと思う。
・冬の寒さは大嫌いだが、冬の情緒というのは捨てがたい。
いや、しかし通年でもっとも使うのは「中辛」なのですよ。次が「BIRD EYE」でその次が「ゆず入り」といったところか。
「ゆず入り」は少なくとも冷たい蕎麦には合わないけれど、それこそ鴨南や、あるいは味噌汁などに合いそうです。