めでたくAmazonの「ほしい物リスト」における個人情報検索機能が復活したので、ちょっと興味があったことを調べてみた。
都道府県別のAmazon.co.jpのユーザ分布ってどうなってるんだろう?ということ。
調査方法は簡単で「ほしい物リスト」検索画面で、名前の欄に「@」、住所の欄に都道府県名を入れて検索。これでユーザ数を拾って、2000年度の国勢調査結果と比較してみる。
当然ながら、この場合に拾えるユーザは下記に限定される。
1.「ほしい物リスト」機能を使用し、かつ公開しているユーザ
2.都道府県名を登録しているユーザ
かなり限定されてるような気がするけど、分布を調べる上ではそんなに障害にはならないのかなあ、と。
で、データを取る前の仮説が「田舎ほどユーザ数が多い」というもの。人口が少ない、あるいは人口密度が低い地区ほどAmazonユーザが多いだろうと思っていて、北海道なんか断トツだろうと。
調べてみた結果、実に意外な結果が出てきました。
(上のサムネイルクリックで拡大表示)
人口構成比とのポイント差で見た場合、Amazonのユーザ数が多い都道府県ベスト10は以下の通り。
1.東京都 2.神奈川県 3.千葉県 4.京都府 5.大阪府思いっきり首都圏&近畿圏。9位以降に石川と鳥取が入ってはいるものの、このデータを見る限り「Amazonのユーザは都市部に多い」と言えてしまうんじゃないか。ただ東京の多さはちょっと異常で、偽装している人も多いのかな?と思う(※1)
6.埼玉県 7.兵庫県 8.奈良県 9.石川県 10.鳥取県
では逆にワースト10を挙げると、
47.福岡県 46.北海道 45.鹿児島県 44.福島県 43.熊本県ワースト2位が北海道というのは実に意外。北海道の都市部以外に住んでいる人ってどうやって本を買ってるんだろうか?全体的には九州が弱い感じで、ワースト1位は福岡、これは謎。あとは福島・新潟・群馬・静岡という「東京とつながっている田舎」が入っているのが興味深い。ちなみにワースト11位は栃木県、12位は茨城県。
42.新潟県 41.広島県 40.群馬県 39.長崎県 38.静岡県
さて、この数字は何を表すのだろう。一言で言うと「より多く情報に接している人間ほど、さらに多くの情報を得ようとする」ということだろうか?田舎に住んでいる人間ほどAmazonを必要としている、という私の仮説は崩れ去ってしまったようだ。
しかし、田舎のユーザほど自身の都道府県を登録したがらない、という傾向はあるだろうし、ユーザがAmazonで「何を買っているのか」によって他の見方ができるかも知れない。
Map of Japanで地図にしてみた。こうしてみると北陸〜近畿〜山陰と関東・四国は比較的利用者が多そうだ。これはインターネット普及率と同じ傾向とは言えない(北陸・四国のインターネット普及率は比較的低い)
分析してみたい方はこちらのデータをどうぞ。
CSVファイル:Amazonユーザ数分布資料
※1:ただしAmazonのプロフィール編集ってものすごく複雑で、プロフィール編集ページへのアクセス方法は普通には分からない。少なくとも僕には、どこのページで住所登録を変更したら「ほしい物リスト」に表示される都道府県名が変わるのか、全く分かりません。
追記:インターネットの普及率の問題もあるかと思い、平成17年版の情報通信白書にある都道府県別情報化指標の、インターネット人口普及率より都道府県別推定web利用者数を算出し、同様の比較を行った。
結果、Amazon推定ユーザ数分布のベスト・ワーストは下記の通り。
■ベスト10単純な人口比と比べた時の大きな違いは、近畿圏の弱さ。大阪府はベストからワーストに転落。変わって北陸ではインターネットユーザ数に対するAmazon利用者数比率が高い模様。しかしいずれにせよ首都圏が非常に強い。
1.東京都 2.神奈川県 3.千葉県 4.京都府 5.富山県
6.石川県 7.沖縄県 8.青森県 9.福井県 10.徳島県
■ワースト10
47.福岡県 46.広島県 45.新潟県 44.大阪府 43.静岡県
42.香川県 41.北海道 40.熊本県 39.岡山県 38.栃木県
こっちも地図にすると、 九州・四国・北東北が実は強い、というか九州は完全に二極化していることが分かる。あとやっぱり北陸は強い。
仕事中も更新してるし
ネットで偉そうなこと書いてる男は
会社で大した仕事してないと思ってるんだけど
lstyさんは会社では自分の意見を
みんなが聞いてくれるような存在になってますか
会社の同僚は、そのブログの管理人がlstyさんであることを知らずに作者本人に一読を勧めてきたんでしたっけ。
希有な出来事だと思います。でわでわ。
残念ながらそういう記憶は私にはないです。webやblogに関することか、あるいはもっとマニアな事しか書いてないので、普通の人からするとここはあまり「縁のないブログ」だと思います。
ただ名古屋人の感覚だと、本をアマゾンで買うくらいなら立ち読みするか、図書館に行ったほうがお値打ちだし。ガセ情報かどうか中身を見ないことにはそうそうネットで本なんて買えないですよ。
だから県民性的な背景もあるのでは
>残念ながらそういう記憶は私にはないです。
そうであれば僕の記憶違いなのでしょう。失礼しました。
でわでわ。
私はワースト3位の熊本県出身で現在は東京にいるのですが、やはり今の方がAmazonを利用しますね。
理由は簡単、地方は届くのが遅いからです。
待っている間に何度も本屋に行けるのですよ。
東京に来てからは本当に配送が早いので驚きましたね。届くのが遅ければ、通販はあまり利用しないでしょう?情報を欲するではなく、単に本屋に行くのが早いか、通販が早いかだと思います。
非常に面白い記事でした!ありがとうございます。
そりゃ発送された翌々日と届くのは遅いが使いやすいと思うのになぁ。
福岡市内の中心部(天神地区)は過密というほど
本屋があり、実際、紀伊国屋も撤退しています。
また、amazonの入荷も東京から2日遅れなので
結局本屋で買うのと同じ時期になるからです。
また、中心地に行きやすい(学生なら定額パス、
社会人なら仕事で)環境もあるかと
熊本県民でよくAmazon利用してるものです。
熊本市内在住でないので本屋が近くにありません。
従って近くの本屋に買いたい本がない、結構な時間かけて本屋に行って目当ての本が無いくらいならAmazonに頼んだ方が早いので利用してます。
まあ、頼んで2日掛かりますが。
田舎の人は本当に本を読まないとおっしゃってる人いますが、それは近くに本屋がない→読書習慣が出来ない→巡り巡って本を読まない。になるのかもしれません。
いずれにしろ、読書習慣無い人は田舎も都会も一定数いるはずですが、田舎だと町の小さな本屋は商売成り立たないほど読書人口が少ないと思います。
自分は本屋でだらだら立ち読みしたり、面白い本が思いがけなく見つかる都会の環境は羨ましいですね。
田舎は文化刺激も情報も少なく、わざわざ自分から探さないとそれらに触れることはありません。
Amazonも急ぎの本とかで使うけれど、Amazonを使わない人たちの為に(特に子供達の為に)地域の本屋は潰れて欲しくないからね。
興味深い結果です。
私も、昨年、ネット上で行われたATOKの全国一斉日本語テストの受験者数を対人口順位比で都道府県別に調べてみました。
その結果、「北陸、近畿、山陰、四国は多く、九州は少ない」という結果を得ました。特に北陸3県の強さが際立っていました。LSTYさんが調べられたAmazonユーザの分布結果とあまりにもそっくりだったので驚きました。
私もLSTYさんに真似てMap of Japanで地図にしてブログに載せてみました。LSTYさんの地図と私の作った地図、見れば見るほどそっくりなのです。
元になるデータがアテにならない以上、統計データもアテにならないですな。
集計お疲れさまでした。
そういえばCDやDVDのことはあまり考えていませんでした。あ、あとセブンイレブンの有無も関係あるかも知れない。鳥取や石川ってセブンイレブンがない地区ですね。
■クラウザーさん
図書館の方が良い、というのはそうだと思います、充実度合いによりますが。
>ガセ情報かどうか中身を見ないことにはそうそうネットで本なんて買えないですよ。
これについては、買う本のジャンルにもよるでしょうね。
■nitianさま
あるような気もするし、ないような気もしますね。
「都会の方が電車通勤者の比率が高く、本を読むor音楽を聴く機会が多い」という傾向はあるかも知れません。
■kkaさま
上の記事にも関連したことを書いたのですが、少なくとも私としては「書店に行くのが面倒くさいからAmazonで買う」という判断をしません。「書店にないからAmazonで買う」です。なので、届くのが遅い→その間に書店に行ける→だからAmazonを使わない、という感覚が、個人的には無いんです。そういう人が多いのかも知れないのですが。
■fwさま
ブックマークコメントには、福岡県についてはリアル書店が充実している所為ではないか、という見方がありました。あと、街の規模(面積)が小さいこともあるのかも知れません。
東京で働いていても新宿や神保町や八重洲に行くのはちょっと一苦労という人は沢山いて、そう言う人がAmazonユーザになるという考え方もできますね。
Eコマース業界の人間が見れば、当然の結果だと思いますよ。
忙しい人(Time Poor)ほど、時間を短縮するためにネットで買い物をするものです。
興味深いのは、全国区のAmazon.co.jpで、福岡県や北海道などの差異。
普通はプロモーションを疑うのですが・・・
>都市圏は情報量が多いのでモノを探す手間がかかる
そういう視点はなかったので面白かったです。「自分がほしい情報しか要らない」と思う傾向は都市部の方が強く、そういう人がweb通販のユーザになりやすい、という仮説は立てられるかも知れませんね。
逆に田舎ではプッシュ型マーケティングが受け入れられやすいとか。これ、本当だったら面白いですね。
■とさのばさま
あ、すいません、他のコメント・レスポンスと重複してしまいます。
福岡の場合、やはり都市構造も大きく関係しているのかもなあ、という気もします。構造というか、面積ですけど、例えば空港から天神まで、歩こうと思えば歩けるじゃないですか。都市内のアクセスが異常に良い。ああいう町って他にないような気がします。
■yxpppppppさま
読書人口の地域差についてはなんとも言えませんが、しかし都会にも本を読まない人間はゴマンといるように思います。
■kenjirouさま
>面白い本が思いがけなく見つかる都会の環境
そこなのかも知れません。田舎の本屋には「売れる本」しか置いてないんで、思いがけない出会いなんて物はほとんど無い。だから、本の世界に「ひろがり」がないように思います。ベストセラーしか読んでいなければ、わざわざAmazonで本を買おうとは思わないでしょうね。
■電池さま
「宇宙は見える所までしかない」ってやつでしょうか。一連のコメントを見ていて、やっぱり田舎の高校生は、東京の大学に行くべきなのかとか思いました。自分の知らない世界が存在する、という認識は大事ですね。
逆に、都会の高校生は田舎の大学に行くべきという考えも成り立ちますが。
僕は逆に、地域の本屋なんか潰れてしまえと思うんですけどね、いや志なき本屋は潰れろ、という。
まあ暴論ですけど、売れる本しか売らないような本屋に価値を見いだせないのですよ。
■ryutypeさま
山陰から北陸に至る地域と四国っていうのは、上にも書きましたがセブンイレブンのない地域とも言えますね、つまり、非常に語弊があるようにも思いますが「不毛の地域」というか。
たとえば地形の問題もあると思うんですが、非常に経済効率が悪いというか、リアルに物を運ぶ際にコストがかかり、その割に市場規模が小さいエリア、という事かも知れないです。
そういう地域の人にとって、まさにwebは救いなのかも知れないですね、こういう感覚は都会暮らしの経験しかない人間には分からない物だと思いますけど。
あと、Uターン就職の比率とかも関係あるんだろうなあ。
■chikunaiさま
>忙しい人(Time Poor)ほど、時間を短縮するためにネットで買い物をするものです。
なるほど、都市部と田舎では、web通販を利用する「動機」その物が全く違うということですね。
都会人にとっては「時間がないから」であり、田舎人にとっては「店にないから」である、という。
そう考えるとわかるような気がします。
アマゾンの利用もすくないと思います。
ただそんだけでしょう。
最後まで読んで頂けるとありがたかったです。
私が住んでいるのは秋田県の郡部ですが、
はっきり言って田舎者は本なんかほとんど読みませんね。
パチンコやってるだけですね。ネットも必要ありません。
だって、頭脳労働をするような職場がないんですから!
情報収集する必要性がないんですね。
こちらに、「書籍・雑誌小売業年間商品販売額」の
都道府県別統計があります(EXCELファイル)。
http://www.stat.go.jp/data/ssds/5-07.htm
見てみると、ダントツ1位は東京で、
1人当たり3万8千円となってます。
最下位は奈良県の1万円、全国平均で1万8千円。
東京だけが3万円を超えています。
ニッポンの頭脳は、そのほとんどが東京に集積されています。
あまりに極論じゃないかとも思ったんですが、パチンコはそうかもしれないですね。田舎ほどパチンコ屋とラブホテルと車屋ばっかりで、つまりその三つが「田舎の娯楽」のメインだという。
私は福島県の県南に住んでおります。ネット普及率での分析は正しいと思いますが、私も含めて家族・友人らはパソコンより、携帯から注文しています。支払い番号が注文してすぐにメールで届くため、そのまま携帯を持ってコンビニで支払いに行けますしね(笑)
意外かも知れませんが、携帯からの利用は多いと思います。パソコン並みにブラウザが使える時代だし。
携帯ユーザは多いでしょうね。2年前のこの記事を思い出しました。
http://www.kotono8.com/2006/10/25mobile.html
このブログへも携帯からのアクセスが多いので、携帯でweb使ってる人は想像よりはるかに多いのだろうと思っています。
しかし携帯でこのブログを見るのはかなりストレスだと思うんですが、どうなんでしょうね。
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この先ウイッシュリストを使う予定がなくても、このように前もって項目を埋めておけば安心かもしれません。本気で誰かからプレゼントされたいなら別ですが出鱈目な住所氏名でも問題ありません。
大阪・広島・香川・福岡と西日本各地方の「中心都市 or 主要都市圏」を含む都道府県での利用が少ないのですね。
理由は、やはり配達期間ではないでしょうか?
ちょっと都心に行けば買えるものが、ネットで注文して最短でも2-3日かかるとなると、大して安くもないAmazonで買う理由はないと思います。
一方で東京だと店が多すぎて、しかも同じようなものばかり置いていて結局探すのが手間。Amazonが翌日配達するようになってから、私自身、一気にAmazon利用回数が増えました。
まず、県がコンパクトなんです。天神、博多(福岡一番の繁華街)に住んでいれば、まず、欲しい物は徒歩、チャリンコで買いにいけます。
また、ビジネス街からも、100円バス、地下鉄が充実しており、移動という点で苦にならないため、買い物がしやすいのだとおもいます。
また、電車で40分圏内での通勤が多いためではないかと思います。
コメントありがとうございます。地価が廉くて街の中心部に住みやすいというのもあるのかも知れませんね。