2008年05月20日

「恐怖奇形人間」感想と僕のおすすめ

Pop is dead.
HORRORS OF MALFORMED MEN : 江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間天国と地獄の美女 江戸川乱歩の「パノラマ島奇談」ドグラ・マグラ
 Amazon.co.jpで買えてしまうことを知る前に別ルートで買ってしまった。
 感想としてはどうでしょう、特に好きな映画ではなかった。まあ面白いんだけど、何かぐっと来る物がない。いや、こういう映画が好きな人は見ておいた方が良いとは思うんですよ、実相寺昭雄とか中川信夫とかが好きな人、あるいはカルト系のロマンポルノとか好きな人にとって、見て損はない。

 画質も随分良いし、特典映像も多い。僕が一番気に入ったのは「徳川いれずみ師責め地獄」の予告編。
  冒頭から「キチガイキチガイ」の連発だし、序盤の無茶苦茶なストーリー展開、チープながら気持ち悪さ全開の特殊メイク、無駄脱ぎ金粉てんこ盛り、ここら辺は確かにアングラカルト映画の代表作と言って良い作り。

 ただ、変な話「意外とちゃんとした映画」なんですよ、わりと筋が通っていて、あんまり脱力しない。あと、あまりにアングラな感じ、グロテスクさが突き抜けすぎてて、ショックを受けないのですね。スプラッター映画が逆に恐くないのと同じで、過剰すぎて衝撃的じゃない。
 見ていて思ったのは「あ、これは『観光』だな」と。非日常の極致であって、ああこういう物もあるんだな、という。日光の東照宮っぽいというか、旅行に行ってああいう物を見る、「ああ、すごいねえ」と思う。でも陽明門みたいなゴテゴテした物を毎日見てたら疲れちゃう、というような。
 まあ映画というのはそういう物なのだけど、この映画はいろいろ過剰すぎて、入り込めない感じはありました。

 とはいうものの、まあ一つ一つの道具立てなんかを見ても面白いと思いますし、繰り返しになりますが、こういうマニア映画好きとしては「必携」の映画だとは思います。廉いし、内容が内容だけに今後入手できなくなる可能性も十分ありますから、まあ買いでしょうな。
 あと由利徹と大泉滉の無駄なコメディーシーンが良かった。やりたい放題だよね。

 で、僕の好き嫌いで言うとこれは恐らくテレビドラマのDVD化でしょうが天知茂主演の「天国と地獄の美女」の方がですね、好きなのです。
 これは「パノラマ島綺譚」をベースにしてるんですが、まあひどいB級ドラマで、最初から最後まで脱力しっぱなし。こちらも無駄脱ぎ満載、謎のセックス教団も出てきます。
 もうこのドラマはね、ひどいですよ。パノラマ島を伊豆の観光地で適当に誤魔化してる当たりもひどい。冒頭、天知茂が「あけましておめでとうございます!明智小五郎です」って登場するんですよ、真顔で。
 ダメな映画が好きな人にとっては「恐怖奇形人間」よりもこっちでしょうね。ここまでダメで笑える作品はあまり無い。

 あと、精神異常を描いた映画のおすすめは「ドグラマグラ」でしょうね。桂枝雀の怪演も良いし(なにしろ枝雀師匠自身、精神を病んだ人だったわけで、この役、全くのハマり役だと言える)妄想シーンのあの何とも言えない空気感、白日夢感、膜の張ったような感じ。で、ストーリー的にはこれぞ精神異常映画という虚実の入り乱れ。たたみかける映像の効果で、原作よりもピチガイ感はアップしているように思います。個人的にはまず映画を見て、その詳細解説として原作を読んだ方が楽しめるんじゃないかという。
 僕が好きなピチガイ映画はこれと、クローネンバーグの「裸のランチ」ですね、こっちは精神異常というかジャンキーの話だけど。
posted by LSTY | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク
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