・すぐに忘れちゃいけない - ここだけの話
・今のところ「僕はこのブロガーのファンだ」と言えるのは、このid:siotan-nuさんと、わなびねこさんの二人位だ。もちろん他にも魅力的なブロガーは何人もいるが、この二人の書いたものに関しては信頼できる。
・つまり「自己演出」してないんだよね。自分の本音を、自分の心のなるべく奥底から引き出して文章にしている。
・加えて、siotan-nuさんのブログは特殊だ。実際の彼女は20代前半だろうけど、それくらいの年齢の女性って「社会性の塊」みたいになって、本音を話さないし、もちろんブログにも書かない。そのような年代の女性でいながらあそこまでオープンで、かつ美しい文章が打てるインテリジェントな人はごく少数だと思う。
・僕もこのブログでは変に「自己演出」はしてないけど彼女らほど誠実でもない。つまり思った事を書いているだけで、それによって「自分と向き合う」という事はしていない。
・特にツイキャス( TwitCasting)なんかで雑談してるのとか、あんなの「自己演出一色」みたいなものですよ。嘘はつかないけど「このエピソードをどうやってネタ化するか」みたいな邪な考えにまみれて喋ってる。
・で、上記の記事を読んで、カネコアヤノという人の「明け方」という曲を買った。
・ここで少しだけ視聴できるけれど、このバージョンではなく「燦々 ひとりでに」に収録されている弾き語りの方が、いい。
・ただそれは少なくともAmazonでは試聴できない。某動画サイトで「カネコアヤノ 明け方」で検索するなり、うまくやってくれ。
・で、Amazonでは入手困難だけど、iTMSでは一曲から買える。もう一度「燦々 ひとりでに」に入ってるのが弾き語りだからね。
・聴いていていきなり、既婚中年男性にとってグサッと来るんだけど、その後に「言わなくていいこと沢山あるね」と続く。
・言わなくていこと、言うべきではないこと、確かに沢山ある。僕は単細胞なのでそういうことをあまり気にせず「正直に思った事をそのまま言う=誠実」で、それが正義だと思い込んでいる節がある。
・昔、ある女の子から「私たち、それぞれの事をもっと知って、お互いの事をもっともっと理解できるかな?」と訊かれたとき、僕は一言「他人同士が、完全に相互理解するなんて無理だよ」と、思っていた真理を正直に彼女に突き付けてしまった。
・のち、とあるブログに僕はこういう文章を書いた。
「いやな予感」というものがある。例えば、熱烈に愛し合っていた男女の、心のほころびというものは突然やって来はしない。二人の間のすべてがうまく行っている途中で、何か「これはおかしいな」という、ある瞬間があるものだ。・僕が「正直=誠実」だと思い込んで彼女に投げつけたあの言葉は、まさに「言わなくていいこと」だったし、あの言葉を発したその時が、引用文の中の「ある瞬間」だった。[当該ブログは削除済みの為、現在閲覧不可]
・それまでも、それからも、僕は「正直=誠実」だという、もっともらしい理屈を盾にして、どれだけ「言わなくていいこと」を言ってきたことか。そしてその暴力的な言葉で、どれだけの人を傷つけてきたのか。
・一方では、このブログなんかを読んで「あの人は正直に率直な意見を書くから信頼できる」と思ってくれる人もいる。
・僕には「(ブログには)何を書いても誰かを不快にしたり、傷付けたりする可能性がある」と思っているので、このブログでは思った事を書き続けるだろう。
・ただし、実際のコミュニケーション、特に大切な人との一対一の対話では「正直が一番」という妄信を棄てなければいけない。50近くになって気付くようなことではないのだけれど。ほんと俺、まだまだ青二才だなあ。